「中京記念・Ｇ３」（２３日、中京）

　サマーマイルシリーズの主役に躍り出る。前走の米子Ｓでレコード快勝のブラックムーンは１９日、国分優（レースはＭ・デムーロ）を背に栗東ＣＷを単走。馬なりながら、４Ｆ５３秒９-３９秒０-１２秒０をマークして最終リハを終えた。

　鞍上は「先週しっかりやっているので、半マイルから動きを確かめる程度でしたが、ストレスなく、しまいもしっかりと動けていました。具合はいいと思うし、重賞でもやれる馬」と汗を拭いながら感触の良さを伝えた。

　圧巻だったのが前走の米子Ｓだ。４角では最後方の位置取りだったが、３Ｆ３２秒４という驚異的な上がりをマークしてレコードＶで快勝。負かした２、３着馬がともに重賞ウイナーであることも、その強さを物語る。「馬の緩さが解消されて、パンとしてきた。それで攻めて行ったら結果が出た」と西浦助手は会心の勝利を振り返る。

　今年で５歳を迎えたが、夏競馬に出走するのは今回が初めて。しかし「心配していない」と、同助手はキッパリ。１週前には栗東ＣＷで６Ｆ７８秒５の全体時計をマークしたように、夏バテの気配を感じさせず、むしろ絶好調だ。

　今回が４度目の重賞挑戦。西浦助手は「相手なりに走れるし、あの馬の競馬をしてくれれば。期待しかない」と力強く言い切る。厩舎は福島で、鞍上は中京で、ともに先週のメインレースを制し、波に乗っている。最終週を迎える桶狭間で、ブラックムーンがトリを飾る。