朝日杯FSとホープフルS2本立ての時代… 選択する陣営のジレンマ/トレセン発秘話

東京スポーツ

2017年12月13日(水) 18:40

昨年レイデオロが制したホープフルS。今年からGIに昇格する(撮影:下野雄規、(C)netkeiba.com)

 昨年までは朝日杯FSが2歳牡馬にとって唯一のJRA・GIだったが、今年からはホープフルSとの2本立てに。この変化に興味津々の様子なのが松田調教師だ。

「(投票権のある)記者の人も、どっちのレースに重きを置くか、決めるのは大変でしょう。JRA賞(最優秀2歳牡馬)のタイトルが、どの馬になるかというよりは、どちらのレースから選ばれるのかということですからね」

 師が管理する京都2歳S2着馬タイムフライヤー朝日杯FSをパスして、ホープフルS参戦を決めたわけだが、「阪神の1600メートルと中山の2000メートル、どっちがレースを読みやすいかといえば、阪神の方でしょう」と解説する。

「中山2000メートルは無理難題がとにかく多い。コーナーが4つで、直線も短いし、一見逃げ馬が有利なようで、差し、追い込みも決まる。非常にレースが読みにくいんです。その点、阪神1600メートルはスタートからしばらくは直線で、何かあってもすぐに修正が利きやすいので力勝負になる。中山2000メートルに比べれば、紛れが少ない舞台と言えます」

 それでもクラシックを目指す馬は距離的に2000メートル=ホープフルSを選択せざるを得ないのだと言う。

「これがまだ昔のラジオたんぱ杯(NIKKEI杯)みたいに、阪神2000メートルで行われるのなら、競馬もしやすいんですが…」

 松田調教師のように、トリッキーな中山2000メートルでクラシックに向けての2歳GIが行われることに肯定的ではないなかで、ホープフルS出走を決めた関係者は少なくないのかもしれない。

 かといって、中山から阪神に開催場所が変わってからの朝日杯FSの勝ち馬が、その後きっちり出世しているのかといえば、過去3年の勝ち馬でその後GIを勝った馬がいないように、決してそうでもなく…。

 結局のところ、“GI分化”によって、メンバーも分散。朝日杯FSも、ホープフルSも、物足りなさを抱えたままのGIになってしまう恐れもある。今後の盛り上がりのためには、なんとか今年の朝日杯FS、そしてホープフルSから来年のクラシックホースが出てきてほしいものだが…。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す