ディセンバーSで22か月ぶり復帰 生まれ変わったハートレー、いきなり好走も/トレセン発秘話

東京スポーツ

2017年12月14日(木) 19:00

16年の共同通信杯以来の出走となるハートレーに注目(写真は15年のホープフルS優勝時、(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規)

 先週木曜(7日)に発表された2018年度新規調教師の合格者。その中に加藤士津八の名前を見た時、ちょっとした感銘を受けた。出会ったころから少年のイメージが抜けなかったが、気づけば立派な青年調教師である。

 同助手はダービージョッキー・加藤和宏を父に持つ2世騎手として、03年に国枝栄キュウ舎所属でデビュー。とはいえ“トレっ子”らしいスレた面がなく、性格は天真爛漫。当方も「シヅヤ、シヅヤ」と呼んでかわいがったが、11年の引退まで通算20勝と、騎手としては芽が出なかった。

 ただ、短いキャリアの中でも、いまだに強烈に記憶に残る勝利がある。それは05年の札幌開催、ヒシサンダーでの逃げ切りV(3歳上500万下=ダ1000メートル)だ。当時は“男”藤田伸二の全盛期。先行馬に騎乗した時に競りかけるのは、ご法度というムードが若手騎手の間で根強かったが…。

「行きますよ。この馬、ハナに行かなきゃ勝てませんから。藤田さんが競りかけて怒るのも瞬間的なものでしょう? すぐ忘れてくれますよ」

 結果は藤田騎乗の1番人気エイシンシグマ(3着)のハナを叩き、堂々のクビ差勝利。おとなしそうに見えて芯は相当に強いと感心したものである。思えば、その強さが調教師受験から、わずか4年でのスピード合格につながったのだろう。今後はトレーナーとしてダービー父子制覇の夢に向かってもらいたいものだ。

 さて“イメージが変わった”といえば、日曜(17日)中山メーン・ディセンバーSでターフに復帰を果たすハートレーだ。

 球節骨折に爪不安が重なり、ラスト出走の16年共同通信杯(9着)から1年10か月の歳月が流れたが、こちらの過ごした時間も無駄ではなかったようだ。

「今夏の福島テレビオープンを鼻出血で回避後、去勢手術を施しました。それが良かったんでしょうか。デビューから一貫して人間とのコンタクトを拒絶し、常にロデオをしているような感覚でしたが、帰キュウしてからは馬と気持ちが通じるんですよ。3年近くかかって、ようやくですね。僕としては再出発というより、ここからがお互いの出発点と思ってます」

 こう語るのは担当の中條亮英助手。15年のホープフルSを完勝した際には、ダービー候補にも挙げられたディープインパクト産駒。これまで能力にフタをしてきた気性が改善されたなら、いきなり馬券に絡むシーンがあっても不思議はない。こちらも“セカンドドリーム”に向かって羽ばたくのは、これからだ。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

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