一心不乱に馬をチェックする福永騎手の姿に目を輝かせる“青汁王子”「いつか騎乗を!」/トレセン発秘話

東京スポーツ

2018年07月13日(金) 19:00

今回の最高落札額2億9000万円で取引されたリアアントニアの2018(撮影:田中哲実、(C)netkeiba.com)

 記者はイケメンと金持ちに強烈に嫉妬するタイプの人間だが、あの2日間だけは非常にきよきよしい…いや、すがすがしい気持ちで成功者たちを眺めることができた。

 今年で21年目を迎えた日本最大の競走馬セール「セレクトセール2018」(9〜10日)。初めて現場を訪れた記者は、目の前で繰り広げられる超高額のセリの連続に言葉を失った。一見しただけで億万長者と分かる服装、いでたちの紳士と淑女。その周囲にはなぜか決まって美女がいる。池袋や渋谷を歩いていたら怪しまれる年齢差でも、ここでは何の違和感もない。年の差を財力が埋めるのだろうか。

 下世話な話になるが、やはり金持ちには余裕がある。セリは時に1000万円単位でつり上がり、数分の間に1億円超の取引がポンポンと成立していく。例えば今回の最高落札額は2億9000万円。消費税(2320万円)だけでも庶民が住宅ローンを返済できてしまうほど。しかし、彼らは高額の取引をしながらも非常に冷静で、まるでゲームを楽しんでいるかのようだった。

 2日間で計9頭、7億8700万円を使った小笹芳央氏はホウオウの冠名でおなじみの名馬主。「高過ぎてめまいがしそう」と苦笑していたが、「将来が見えない中でデビューまでの夢を買う楽しみがある。その夢の奪い合いはエキサイティングですよね」とその魅力を教えてくれた。

 一方、共同名義で6600万円の馬を購入した歌手の前川清は一歩引いた姿勢で臨んでいた。「セレクトのロマンは?」と問うと「僕にはもうロマンはないですよ。失敗を痛いほど知っているからね。それにしても、みんなどこにあんなお金があるんだろう…。こういう若い人といると面白いし、本当に刺激を受けますね」と周囲の熱に圧倒されつつも、楽しげな表情を見せていた。

 そんな中、最も印象深かったのが福永祐一だ。馬主へのあいさつをメインにするジョッキーもいる中、彼は雨の中でレインコートを着込み、メモを片手に牧場を行ったり来たり。豪華な食事や高額のセリには脇目も振らず、一心不乱に馬をチェックしていた。

「ホンマに馬を見るのは楽しいね。そういえばスワーヴリチャードを初めて見たときは“絶対にいい馬になるな”って思った。ただ数多く見ても正解は分からない。分かったら、みんなこんなに失敗せえへんでしょ。まあ、僕は馬に乗るより、見る方が性に合ってるのかもしれないね(笑い)」

 そんな福永に対し、今回初参加した美容メーカー「メディアハーツ」社長で“青汁王子”の異名を取る三崎優太氏は「いつか僕の馬に福永さんが乗ってほしい」と目を輝かせていた。

 今年、悲願のダービージョッキーになった男の変わらぬストイックな姿勢をこの目で見て、いつの日か億万長者のオーナーたちが一目置く名調教師になることを記者は確信した次第だ。 

(童顔のオッサン野郎・江川佳孝)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す