【マイルCS】アルアイン 今秋からの坂路&プール調教で「マイラー化」/トレセン発秘話

東京スポーツ

2018年11月14日(水) 18:00

今秋からプール調教も取り入れたアルアイン(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

マイルチャンピオンシップ(日曜=18日、京都芝外1600メートル)栗東トレセン発秘話】

 一般的に距離をこなすには、トラックで長めの距離を乗ることが必要とされる。

「なかには坂路だけの調教で長距離重賞を勝つ馬もいるし、送り出す人間の気持ちの問題なのかもしれないけどね。基本的に長い距離を持たそうとするときは、トラックでじっくり長めの調教をこなすことが多いのは確か。マチカネフクキタルなんて、坂路で軽く乗ってからトラックに入って、長めからビッシリ調教をしていた。かなりハードに乗っていたよ」

 西園調教師はマチカネフクキタルを管理していた二分厩舎の所属ジョッキー時代、その調教量の豊富さに目を丸くしたという。父クリスタルグリッターズ、母父トウショウボーイという血統には3000メートルを乗り切る下地があるようには思えない。それでも菊花賞(1997年)を勝ってしまったのは、スタミナ強化の調教が確実に効いていたのだろう。

 で、ここからが本題。トラックで長めを乗るのが長距離向きとするなら、反対に4ハロンを一気に駆け上がる坂路調教は短距離向き? そんなイメージは競馬ファンのなかにもあると思う。実際、距離が短くなればなるほど、出走馬の追い切りは坂路が多くなる。今年のマイルCS出走馬の中にも、ここ最近になって坂路オンリーに調教方法を特化させた馬がいるとなれば、その変化に注目しない手はない。

 アルアインは今年4月の香港遠征(クイーンエリザベスII世C・5着)時に、周回コースでの追い切りを嫌がったため、それ以降は、デビューから続けてきた坂路&トラックの併用をやめて、“坂路専門ランナー”に変わった。もともとは馬の機嫌を損ねないための調教法の変更なのだが…。この変化がアルアインの距離適性にも大きく影響を及ぼしているのでは? というのが坂路野郎の推論だ。担当の音瀬助手は言う。

「以前は坂路ではそんなに時計が出なかったのに、最近は坂路での追い切りに慣れてきたのか、いいタイムが出るようになりました。坂路だけの調教だと負荷の面で心配があったから、この秋からプール調教も取り入れているんですが、その効果もあってか、トモがしっかりしてきた感じも受けます」

 2012年の勝ち馬サダムパテックなど、もともと天皇賞・秋からの転戦馬が結果を出しているのがマイルCS。そこからの転戦馬で(しかも4着善戦)なおかつ、この秋から坂路調教にシフトしたアルアイン。17年皐月賞以来の勝ち鞍を挙げるなら、この1600メートルのGIじゃないかとみている。

(栗東の坂路野郎 高岡功)

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