京都2歳ステークスは、重賞に格上げされて今回が5回目という歴史の浅い重賞競走だが、それ以前から11月下旬に芝2000mの距離で争われるレースで、ヴィクトワールピサやエピファネイアなどが勝ち馬に名を連ねているレースだった。重賞という肩書きがあっても、なくても来年のクラシックを占う意味では重要な位置づけにあるレースだった。

　過去10年間で1〜3番人気馬は8勝2着3回3着4回。中でも1番人気馬は4勝2着3回3着3回で馬券率90%と平穏傾向にある。過去10年で新馬戦からの連勝を決めた馬が5頭いるというのも特筆すべきデータかもしれない。

　少頭数で逃げ馬不在のメンバー構成なら操作性の高い◎ミッキーブラックに期待したい。これまで右回りでコーナーを4度まわる競馬場で2戦2勝。強烈な瞬発力には欠ける印象だが、早めに動いて最後まで頑張りとおした前走の内容には見所があった。母はアルゼンチンのGI勝ち馬で、曾祖母はアルゼンチンの2歳牝馬チャンピオン。パワーを要求される馬場にもしっかりと対応してくれそうだ。

　やや荒削りながらも○クラージュゲリエは札幌2歳ステークス3着馬。札幌2歳Sの覇者ニシノデイジーが東京スポーツ杯2歳Sを勝ったようにレベルの高い1戦だったが、最速の上がりタイムを記録したのはこの馬だった。キングカメハメハ産駒で近親にはトゥザグローリーやトゥザヴィクトリーがいる血統。成長力もありそうだ。

　デビュー戦の内容が出色だったのが▲ワールドプレミア。出遅れて、後方からの競馬となったが、最後の伸び脚は、さすがワールドエースの全弟というものだった。1度競馬を使われた上積みもありそうで注目の1頭だ。

　放馬による発走除外明けとはいえ△ブレイキングドーンのデビュー戦は2着馬がその後連勝していることを考えれば中身の濃い1戦だった。侮れない1頭だ。