【有馬記念】シャドーロールの怪物・ナリタブライアンがここでも圧勝!/平成有馬記念列伝(1994年)

2018年12月18日(火) 22:30

ナリタブライアンがここでも圧勝、2着ヒシアマゾンに3馬身差をつけた(撮影:高橋正和)

 この年の秋競馬、競馬ファン最大の関心事は、何と言ってもビワハヤヒデナリタブライアンの兄弟対決であった。兄ビワハヤヒデは、春3戦を圧勝し古馬戦線を完全制圧。秋緒戦のオールカマーでも危なげなく勝利を収めていた。一方の弟ナリタブライアンも5馬身差でダービーを制して二冠達成。果たしてどちらが強いのか――。

 しかし、天皇賞・秋のレース中にビワハヤヒデが屈腱炎を発症し引退。この夢の対決は実現することなく終わる。

 弟のナリタブライアンは、秋緒戦の京都新聞杯こそ取りこぼしたものの、菊花賞を7馬身差で制し、見事に三冠を達成。史上5頭目の三冠馬が、次走に選択したのがこの有馬記念だった。

 ビワハヤヒデだけでなくウイニングチケットも屈腱炎で引退。必然的にナリタブライアンに人気は集中し、初の古馬相手ながら、単勝1.2倍という圧倒的な支持を受ける。2番人気は天皇賞馬ネーハイシーザー、3番人気はアイルトンシンボリ

 レースはツインターボが玉砕覚悟の大逃げをみせ、速い流れで進んでいく。しかし3コーナーで早々と後退していくと、あとはナリタブライアンの独壇場。早めに2番手まで押し上げて、抜群の手応えで直線に向き、そのまま後続に3馬身差をつけて、この年4つめとなるG1タイトルを手にいれた。2着は外から追い込んだ重賞6連勝中の同期の牝馬ヒシアマゾン。9ヶ月ぶりのライスシャワーが内を捌いて3着に上がった。

 このレースにビワハヤヒデが出ていたら? その答えは永遠に謎のままである。

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