ニシノデイジー4戦のキャリアが今回に限り大きな武器/POGマル秘週報

東京スポーツ

2018年12月26日(水) 18:00

3連勝の勢いでGI制覇を狙うニシノデイジー(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 有馬記念前日の土曜。美浦で朝追いの最中、藤沢和雄調教師が興味深い話を伝えてきた。

レイデオロを来年も走らせるなら、ジャパンCスキップしたのは悪くない選択だよ。たとえば30年前の外国産馬。いわゆるマル外馬はたとえ二流血統でも、当時の日本生産馬とは根本的なスピードが違った。

 だから走るんだけど、勝てるからって明らかに皆がレースを使い過ぎていたんだ。ダメージが蓄積すれば、そりゃあ、いずれ走らなくなる。すると今度は皆が口を揃えて言いだすんだ。“やっぱり外国馬は早生(わせ)だ”って。違うだろって話でね」

 外車は早熟――。思えば当時、その流説をマスコミも含めて誰もが「真理」として受け止めていた。因果関係を追求せず、相関関係のみで事実を推し量ることの危険性を、トレーナーは雄弁に伝えてくれたわけだ。

 もっとも素材を磨耗しないという意味では2歳GIも、その立ち位置を危うくする。昨年の朝日杯FS優勝馬ダノンプレミアムホープフルS優勝馬タイムフライヤーは、今年クラシックで輝きを放てずじまい。外野がそこに因果関係を見いだすことは簡単ではないが、少なくとも、その後は「未来」や「希望」と離れた場所での奮闘が続いている。

「ミルコ(デムーロ)の馬はメチャクチャ強いと思う。勝つのは難しいけど、馬場が悪くなれば、アドマイヤジャスタにもチャンスはあるよ。競馬は何があるか分からないからね」

 有馬当日の中山で、クリストフ・ルメールホープフルSの展望をこう口にしていた。主役として敬意を表すのは、日米オークスを制覇したシーザリオを母に持つサートゥルナーリア。素材の良さと高い完成度を口にする陣営も、当初から目標をここに置いていたことだろう。何より注目すべきはサートゥルナーリアの“余力”だ。デビュー戦、2戦目の萩Sともに追うところなしの楽勝。ここも余力残しで勝てるなら確かに来春が見えてくる。

 だが、昨年に倣えば、タイムフライヤーと同じく5戦目でGIを迎えるニシノデイジーこそ狙い目のような気もする。

「前走(東スポ杯1着)の12キロ増は成長分。今回はさらに体が増えているかもしれない」と高木登調教師が言えば、主戦の勝浦正樹も「結果的に重賞を連勝しているが、まだ完成された感は全然ない。今回もこれまで同様、勝ちにいかない乗り方でいいのかな」

 今回に限れば、4戦のキャリアが大きな武器となりそうなムードがある。とにもかくにも…。レース名にたがわぬ優勝馬の飛躍を来年こそは願いたいものである。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す