「ヴィクトリアマイル・Ｇ１」（１２日、東京）

　アエロリットが８日、美浦坂路で最終リハ。菊沢師を背に好タイムをマークし、海外遠征帰りの不安を一蹴してみせた。昨年は落鉄の影響もあり４着。６戦ぶりとなる横山典の手綱で雪辱を期す。

　たまったストレスを発散したのか、あるいは伸び伸びと走れるのが楽しくて仕方ないのか-。米国遠征帰りのアエロリットが、菊沢師を背に美浦坂路で上々の動きを披露。ウッドチップを軽やかに蹴り上げ、スピード十分に駆け上がった。

　動きが大きいため、見た目にはゆったりと映るが、スピードはピカイチだ。坂下で１０馬身以上先行していた他馬を、最後は並ぶ間もなくかわしてフィニッシュ。４Ｆ５１秒２-３７秒７-１３秒０は、８日の美浦坂路で２番目の好タイムだ。

　「時計を感じさせない雄大なフットワークでしたね。たまたま前を走っている馬がいて、併せる格好になった。コースで追い切ると、しまいは少し俊敏性に欠けるところがあるけど、先週（美浦Ｗ）、今週とやって、馬がシャキッとしてきたね」と、菊沢師は手綱に残った感触を伝えた。

　かわいい子には旅をさせよ-。米国に遠征した前走は、雨による重馬場で９着と結果を残せなかったが、「輸送も、検疫も、あらゆる環境が未経験の中、彼女なりに対応していて、改めてすごいなと思わされました。精神的に強くなったと思う。昨年の調整過程と比べても、今年の方がいい」とトレーナーは自信をのぞかせる。

　昨年は４着。今年はデビューから９戦目までコンビを組んだ横山典へ、６戦ぶりに手綱が戻る。「ジョッキーに、この馬の成長した姿を見てもらいたい。ここ２戦は結果が出なかったが、巻き返したいね」。Ｇ１Ｖを含む（３・２・０・１）と抜群の相性を誇る府中で、進化した姿を見せつける。