【凱旋門賞】フィエールマン英国から世界制圧へ サンデーR吉田代表「やはり坂路の存在」

デイリースポーツ

2019年09月30日(月) 07:00

 吉田俊介氏

 「凱旋門賞・仏G1」(10月6日、パリロンシャン)

 今年は日本馬3頭が挑戦する世界の頂。その一頭、フィエールマン(牡4歳、美浦・手塚)を送り出す(有)サンデーレーシング代表・吉田俊介氏(45)が、デイリースポーツのインタビューに応じた。クラブとしては12、13年オルフェーヴル(いずれも2着)以来の参戦。異例とも言える英国での調整を選択するなど、日本競馬界の夢を現実にすべく、全力を注ぎ込んでいる。

  ◇  ◇

 -サンデーレーシング所属馬としては、オルフェーヴル(12、13年)以来の凱旋門賞挑戦となる。当時を振り返って。

 「特に印象が強いのは、4歳の時(12年=2着)ですよね。大外から他の17頭をまとめてかわして“本当に勝っちゃった”と、思わず立ち上がって前のめりになりましたよ。普通だったら当然勝っている競馬なのに、こんなことが起きるんだなと…」

 -当然、勝てる手応えを持っていた。

 「ディープインパクト(06年=3着、のちに失格)に匹敵するくらい、手応えのある馬での挑戦だと思っていました。ただ、1回目は前哨戦(フォワ賞=1着)が案外の内容でした。だから、スミヨン騎手も早めに動いて行ってしまったと思っているんですけどね」

 -今年はフィエールマンで挑む。クラブ募集時の評判は。

 「クラブの募集馬にいい馬をそろえているつもりなので期待はしていました。ただ正直なところ、その時点ではそこまでずばぬけている感じではありませんでした。薄手の牡馬でしたからね。調教を積んでいくうちに、“スゴいんだろうな”という評価に変わっていきました。実際に、一戦一戦競馬を重ねるごとに能力を再認識させられています」

 -天皇賞・春を制して凱旋門賞への挑戦が決まった。前哨戦の札幌記念3着を振り返って。

 「レース時期や負担重量を意識して、ステップ札幌記念を選びました。2000メートルという距離や札幌競馬場のコース形態を考えると“後手に回るだろうな”と思いながらのレースでしたので、悲観する内容ではなかったと思います。もちろん、勝って気分良く行きたいところでしたけどね」

 -以前、いつかは日本馬が凱旋門賞に勝つという話をしていた。

 「いつかは勝つとは思っていますよ。ただ、その難しさも分かっているつもりです。だから今回は新しい試みとして、イギリスの坂路を使った調整を始めてみるんです」

 -ニューマーケットで調整する最も大きな理由は。

 「(フランスの)シャンティイは馬にとって素晴らしい環境だと思うのですが、何かボーッとしているような、それこそ牧場にいる時のような雰囲気になるのでは、というアドバイスを受けました。それに日本の場合は、レース前に競馬場へ移動することで気持ちがつくられる部分もある、という意見も含めて、このプランで行ってみようと。ルメールさんとも相談して決めました」

 -調教コースが日本と近い。

 「やはり坂路の存在ですよね。向こうではウォーレンヒルやロングヒルがあり、より日本でやっているような調整ができます」

 -ニューマーケットでの調整がこれからのスタンダードになる、と。

 「天栄から行く馬(関東馬)はそうしようかと思っています。関西の方は、池江さんや角居さんなど、(現地で開業している)小林厩舎を使った調整がノウハウとして蓄積されているので、それでやってもらえばいいと思っていますが」

 -ノーザンファーム副代表としての立場もある。

 「父(吉田勝己代表)の方針として、いいところは何でも取り入れていこう、と。だから、どんどん挑戦していいんです。失敗したことに対してはそんなに怒らなくて、むしろ挑戦しなかったことに対して怒る人ですから。働いている人は伸び伸びやれていると思いますよ。そうは言っても、責任感の強い人たちばかりがそろっていますから。僕はちょうどおいしい立場にいるんです(笑)」

 今年はディープインパクトキングカメハメハが急死した。そんな年に凱旋門賞に挑戦する。

 「そういう聞かれ方をよくするのですが、挑戦が決まったのは2頭がいなくなる前ですからね。でも、後継種牡馬をつくりたい気持ちはありますよ。ディープにしろキンカメにしろ、すごく才能のある競走馬をたくさんつくってくれたので、跡取りとなるような種馬をつくりたい。そのためには、まず競馬場でいい成績を残して、人気のある種馬を何頭もつくらないといけない、と思っています」

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