武豊「ディープが後押ししてくれました」 最年少&最年長で菊花賞5勝目

デイリースポーツ

2019年10月21日(月) 07:30

菊花賞を制しガッツポーズを見せる武豊とワールドプレミア(撮影・石湯恒介)

 「菊花賞・G1」(20日、京都)

 皐月賞馬&ダービー馬不在の三冠最終章。名手・武豊に導かれ、今年7月30日に急死したディープインパクトの子ワールドプレミアが、見事にラスト1冠を手に入れた。鞍上は88年スーパークリークで記録した史上最年少優勝(19歳7カ月23日)に加え、伊藤勝吉の48歳9カ月23日を更新する50歳7カ月6日での最年長優勝記録も樹立。最も菊の勝ち方を知る男が、淀のターフでこの上ない手綱さばきを見せた。2着は8番人気のサトノルークス。1番人気に支持されたヴェロックスは3着に敗れた。

 不世出の名馬ディープインパクトがこの世を去って3カ月。くしくもその血を受け継ぐ素質馬が、世代のライバルたちを蹴散らしてラスト1冠をもぎ取った。ソエにより春のクラシックを棒に振りながらも、3番人気に支持されたワールドプレミア。最後の最後で、執念が実った。

 殊勲の武豊が振り返る。「ディープが後押ししてくれました」。スタートを決めて道中は好位のインへ。1000メートル通過1分2秒4の流れの中、ピタリと折り合ってじっくりと脚を温存。4角手前でジワジワと位置を上げると直線で左ステッキを連打。残り100メートルで先頭に立つと、最後は猛追したサトノルークスを首差で振り切った。「馬が一生懸命走ってくれました。本当に状態が良かったし、枠順も良かったので勝つレースをしようと思っていました」。完璧な形でチャンスをモノにし、満足げな笑みを浮かべた。

 鞍上にとっては記録ずくめの勝利だ。史上初となる昭和・平成・令和での3元号GI制覇を成し遂げるとともに、菊花賞最年少&最年長勝利記録を樹立。同賞最多勝利数をも更新し、それが05年ディープ以来の戴冠で、しかもディープの子となれば喜びもひとしおだ。「そういう意識はありましたし、良かったです。最年少と最年長記録を獲れてうれしい」と率直に喜びを表現した。

 史上13人目の三冠トレーナーとなった友道師も「ひと言で言うとジョッキーがうまい」と名手を褒めたたえ、「去年も2着(エタリオウ)だったし、厩舎としてもうれしい。春は悔しい思いをしていたので、最後の1冠を獲れて良かった」と相好を崩した。次走は未定だが、「長距離で活躍してほしい」と指揮官は先を見据える。物語はまだ始まったばかり。最強の遺伝子を持つ令和最初の菊花賞馬が、今後もビクトリーロードを突き進んでいく。

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