【勝負の分かれ目 マイルCS】テン乗りの池添騎手が極限の瞬発力を引き出し、春秋マイルGI制覇を達成

2019年11月17日(日) 19:26

史上7頭目の春秋マイルGI連覇の偉業を成し遂げたインディチャンプ

 田中勝春マイスタイルがハナを切った。グァンチャーレフィアーノロマーノがつづく。4番手の外に、川田将雅が乗る1番人気のダノンプレミアム。その内に、テン乗りの池添謙一が騎乗する3番人気のインディチャンプがつけている。「ゲートに不安があると聞いていたのですが、しっかりスタートを切ってくれました。促しながら、いいポジションが取れました。前のダノンプレミアムを見ながら進められればいいな、と思っていました」と池添。 直後の内には2番人気のダノンキングリーが控えている。「ダノンの2頭は強いが、勝ちたかった」と言った池添にとっては、両馬をマークできる最高の位置取りとなった。

 前半800mは47秒2。後半800mが45秒8だから、ゆったりした流れと言っていいだろう。

 3コーナーの坂を下って4コーナーに入っても、手綱をがちっと抑えたマイスタイルが先頭をキープしている。

 外からフィアーノロマーノマイスタイルに並びかけ、直線に入った。ダノンプレミアムはさらに外から仕掛けるタイミングをはかっている。

 先頭はマイスタイル。それに迫るフィアーノロマーノがやや内に進路を取った。外にはダノンプレミアム。これら2頭の間にできたスペースにインディチャンプが入った。池添が手綱の操作で外に馬の顔を向け、抜群の手応えのまま外のダノンプレミアムに併せに行った。「直線に向いても手応えがよく、追い出しを待つ余裕がありました。一度叩いて、状態がすごくよくなっていました」と池添。

 ラスト200m地点でアクションを大きくして池添が追い出すと、インディチャンプは鋭く反応した。桁違いの瞬発力で抜け出し、2着のダノンプレミアムに1馬身半差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。

 インディチャンプは、2015年のモーリス以来、史上7頭目の春秋マイルGI連覇の偉業をなし遂げた。

 騎乗停止中の福永祐一に替わって騎乗した池添は、4度目のマイルCS制覇となった。

(文:島田明宏)

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