ファラオ 砂王へのシナリオ/トレセン発秘話

東京スポーツ

2020年02月21日(金) 18:00

芝スタートを味方に砂王の座を狙うワイドファラオ(写真右)、(c)netkeiba.com、撮影:小金井邦祥

 根岸Sで初ダートに挑んだモズアスコットが出遅れる姿を見たとき、芝で走ってきた馬にとってのダートスタートは、やっぱり簡単じゃないんだなと思ったものだが…。担当する玉井助手に聞いてみると、「以前からゲートに問題があった馬。(走り慣れている)芝からのスタートに替われば“普通に出るのか?”と聞かれると、そういうことではない気もしますけど」と。どちらにせよ、モズアスコット陣営にとっては気にする必要がないことなのかもしれない。なぜなら、他馬をひとのみできるほどの決め手を持っているから。実際に前走も出遅れをモノともしなかった。

 一方、記者がデビューから追い続けているワイドファラオは「キャリアを積んでわかってきたんですけど、自分から捕まえにいけるほどの速い脚を持っている馬ではないみたい。だからこそ、ポジション取りが大事になってくると思うんです」と担当の高田助手。ワイドファラオにはモズアスコットのような決め手がない。ゆえに何かしらの武器で弱点を補う必要があるのだ。

 その武器こそが前述の“芝スタート”。これまでにダートで5戦を消化しているワイドファラオだが、芝スタートはわずかに1走。それが初ダートで重賞制覇を決めたユニコーンS。すなわち、今回と同じ舞台である。

「デビュー前のゲートは自分が乗って出したんですけど、そのときでも十分に“速いな”と思ったんです。でも、芝の実戦ではそれ以上。スタートしてすぐに1馬身くらい抜けちゃうんですから。もちろん、走り自体はダートのほうが最初からいいと思っていたのでユニコーンSは期待通りの内容ではあったんだけど、実はその後のレースでもスタートは普通に速いんじゃないかな、と期待していたんです。でも、不思議なことにダートでのスタートは至って普通。チャンピオンズC(14着)なんて出遅れてますし(苦笑)」(高田助手)

 騎乗する福永からは「そういうタイプの馬もいる」と言われたそうだが、ハッキリとした理由はわからないのだとか。ただ、間違いのない事実は「芝スタートのワイドファラオは違う」――。

 ドリームキラリが除外対象になっている現在、インティの単騎逃げがほぼ確定的のように扱われている。だが、仮にワイドファラオがスタートで“出切ってしまった”場合でも、インティはそれをかわしてまでハナにこだわるのだろうか?

 ちなみに記者と高田助手の秘密会合(?)では「(武)ユタカさんはそこまでしない」で一致。ならば、ハナを切るのは好ダッシュを決めたワイドファラオ。前に並びかけることはできないが、並びかけてきた馬を競り落とす、しぶとさがこの馬にはある。ユニコーンSの再現こそが期待するシナリオだ。

「正直、前走(根岸S5着)は状態も上がってきていなかったし、斤量も背負っていた。格好をつけてくれるといいな…ってくらいの感じだったんです。それを考えたら悪くない競馬だったでしょ? ひと叩きした今回は一変してますよ」(高田助手)と状態面の裏付けがあるところも非常に頼もしい。なのに、ちょっと人気なさ過ぎに思えるのは記者だけだろうか。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

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