【菊花賞】コントレイル長距離仕様!やり過ぎず控えめ…驚くほど静かな最終追い切り

デイリースポーツ

2020年10月22日(木) 07:00

 過不足なく負荷をかけられたコントレイル(撮影・石湯恒介)

 「菊花賞・G1」(25日、京都)

 05年の父ディープインパクト以来、史上3頭目となる無敗三冠を狙うコントレイルが21日、栗東坂路で最終追い切りを行った。気持ちが入り過ぎないように、あえて単走で馬なりと控えめな内容だったが、軽快なフットワークで4F52秒5-38秒3-12秒9を楽々マーク。偉業達成に向け、心身ともに態勢は万全だ。

 驚くほど静かな最終調整だった。開門から5分後、栗東坂路に登場したコントレイル。馬場の外めから単走で発進すると、自ら首を使ってしっかりとスピードに乗っていく。ただ、最後まで手綱が動くことはない。馬場のいいところを選び、やや外へと進路を取りながらフィニッシュ。手応えに余裕を残し、4F52秒5-38秒3-12秒9を刻んだ。

 騎乗した金羅助手は「やり過ぎず、馬場も悪そうだったので、気持ちを乗せ過ぎないようにやりました。もう動ける状態ですしね。無事に終わって良かったです」と胸をなで下ろす。初の在厩調整で、初の中3週。1週前には主戦の福永を背に追い切り、既に体はできている。同助手いわく「今までで一番(時計を)出さないようにした」のは、“長距離戦仕様”の精神状態を意識してのことだ。

 見届けた矢作師も「ラスト1Fは多少遅くて、見栄えはいいとは思っていないけど、馬場状態も良くなかったからね。問題なく順調。今回は距離が長いし、馬を追い詰めないように考えてやってきた」と納得の表情を浮かべる。「競馬が終わったあとは自然とオフになったし、今週になって上げてきている。僕が思っている以上に賢いし、人間の意図を理解している。素晴らしい」と絶賛した。

 史上3頭目となる無敗のクラシック三冠が懸かるが、「恐らく一生に一度のこと。自分にしか経験できないことと思って楽しんでいます」と師は自然体で大一番に臨む。「ファンの夢を壊さないように、もっともっと大きな夢を見てもらえるようなレースができれば」。歴史的な偉業を成し遂げ、さらなる高みへと羽ばたく。

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