【JBCレディスクラシック回顧】逃げ馬マークで接戦を制したファッショニスタ(斎藤修)

2020年11月06日(金) 18:00

マドラスチェックとの叩き合いをアタマ差制したファッショニスタ(写真右、撮影:高橋正和)

 前哨戦のレディスプレリュードを圧巻のレース内容で制したマルシュロレーヌは、ここまでダートで2戦とはいえ、本番と同じコースを経験して死角はないかに思われた。しかしそうならなかったのは、前哨戦と本番の違いだろうか。

 レディスプレリュードでは、直線を向いてマドラスチェックが先頭に立ったところで、マルシュロレーヌは2馬身ほどうしろにいたが、そこから難なく差し切って3馬身差をつけた。今回も、直線を向いてマドラスチェックファッショニスタが馬体を併せて前をとらえたところで、マルシュロレーヌは2、3馬身ほどの差。同じように伸びれば楽に交わせるはず。しかしその差はまったく詰まらなかった。

 前哨戦を圧勝した馬が、断然人気に支持された本番であっさり負けるというようなケースは、競馬ではたびたびあること。JBCでも、レディスクラシックに限らずそうしたケースはこれまでにもあった。レディスプレリュードを勝たなければ本番へ出走できる保証がなかったマルシュロレーヌは、そこがピークだったかもしれない。対して、1、2着馬にはすでにダートグレード勝ちがあり、大井1800mでの好走歴もあった。

 サルサディオーネは単騎マイペースの逃げが好走条件だが、今回は競りかけて来る馬もなく、それがかなった。ただし、それはレースの序盤だけ。向正面に入るとファッショニスタがぴたりと直後につけてプレッシャーをかけはじめた。徐々にペースアップを強いられ、800〜1000mのところに11秒9というラップがあって、1000m通過は61秒4。この日はどのレースも速い決着で時計の出る馬場だっただけに、ハイペースというほどではないものの、自分で刻んだペースではなく、直後のファッショニスタに刻まされたペースゆえ直線では苦しくなってしまった。

 直線を向いて、ファッショニスタと、ラチ沿い3番手を追走していたマドラスチェックが馬体を併せての追い比べ。サルサディオーネを交わしたところではマドラスチェックが前に出た場面もあったが、最後はファッショニスタがアタマ差でしりぞけた。

 砂をかぶるとよくないというマドラスチェックに2番枠は不運だった。外に持ち出せる場面がなかったのか、それとも外を回るロスを避けたかったのか。先頭のサルサディオーネからはやや距離を置いて、極力砂をかぶらないような位置は追走していた。それでも斜め前方にいるファッショニスタの手応えを見れば離されるわけにいかない。枠順が逆で、マドラスチェックが砂をかぶらない外め好位を追走できていたらどうだっただろう、と思わせる差ではあった。

 マルシュロレーヌが3着で、4コーナーでは同じような位置にいたダノンレジーナが4着に食い下がった。ダノンレジーナは4歳の今年、順調に条件戦を勝ち上がり、重賞のプラチナカップでも3着があったが、前走A2特別2着からの参戦だった。牝馬のダートグレードは、中央馬なら3勝クラス、南関東ならオープン下でも好調馬なら通用してしまうことがある。

 ダートグレード4勝で実績最上位のプリンシアコメータは好位のうしろを追走したまま見せ場をつくれず。相変わらず1、2着争いか、着外かという成績。

 2015、16年にJBCレディスクラシックを連覇したホワイトフーガが引退した後、ダート牝馬戦線はレースごとに勝ち馬が変わる混戦が続いてきたが、期待されたマルシュロレーヌが負けてしまったことで、その混戦は引き続きとなりそうだ。

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