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【ヤングチャンピオンシップ予想】「ばんえい甲子園」の異名を持つレース 生産地ごとのレベル差に注目

2020年12月29日(火) 18:00

　ばんえい初心者のために、ヤングチャンピオンシップというレースの成り立ちからご説明しよう。

　このレースに先だって、1・2着馬がここへの出走権を得られる予選のようなレースが5レース行われている。2歳馬たちはその生産地によってどの予選(○○産駒特別、というレース名)に出るかが割り振られる。その仕組みから「ばんえい甲子園」とも呼ばれる。○○産駒特別が地区予選、そしてヤングチャンピオンシップが甲子園というわけである。

　生産地ごとに生産頭数やレベルの違いはあるので、もちろんどの予選が高レベルか、といった要素はある。過去の勝ち馬でいうと十勝産駒特別が最も高レベルで、次いで釧路産駒特別ということになる。ただ、勝ち負けはあくまで個体の問題でもあるので、それだけに縛られる必要もない。

　生産地という縛りがあるぶん、同世代の上から10頭を選ぶのに比べて上下の力量差はある。過去10年の結果を見ても、勝ち馬はすべて1〜3番人気から出ている。6番人気以下の馬が馬券に絡んだのは2回だけ(いずれも7番人気)。5番人気以内の馬をどうこねくり回すか、そのうえでアタマはひねり過ぎないというのが予想のテーマとなる。

　予想するうえで考えなくてはならない要素として、今年だけの事情もある。今年は予選レースに波乱があった。十勝産駒特別が9・7番人気という波乱。北見産駒特別が3・4番人気、北央産駒特別が3・2番人気で、当時の1番人気馬が出走権を得られなかった。

　別角度から見てみよう。既にナナカマド賞という重賞が行われているのだが(10月18日)、その1、3、4、5、6着馬が予選レースで3着以下となり、8・9着馬が予選をクリアしてきた。今年の2歳戦は突出した馬が出ずにかなり混沌としているのだが、その状況を象徴している。

　こうなると理屈で頼れる馬は限られる。ネオキングダムは釧路産駒特別1番人気1着で今回のメンバー中番組賞金トップ。負担重量は他馬より＋10キロとなるが、過去10年のうち5回は出走馬中一番重い荷物を曳いた馬(同重量複数頭の場合あり)が勝っている。12月20日の競馬は全く流れに乗れず敗れたが、それを言ったら今回は予選レース後の成績がいまひとつの馬が多い。

　カイセキングオーはネオキングダムとともに12月20日のレースで大敗してきたが、それ以前は掲示板以内を続けていたし、今回のメンバー中では馬格があるほう。斤量増の場面で良さが出ることを期待したい。

　ジェイスターは十勝産駒特別勝ちで前走も2着とここ2走はまとまっている。ただまだ非力な印象で荷物が重くなるのは不安。当日はプラス体重で初の900キロ台に乗せてきてほしい。

　アルジャンノオーは年度前半6戦5勝2着1回だった馬。ナナカマド賞での大敗以降崩れてしまったが、僅差2着だった北見産駒特別から、まだ復活の可能性はあると考えたい。

　ショウリノホシは前々走に大きな着差があるが、基本的にまとまった競馬をする馬。初経験の荷物に苦しむ馬がいた場合浮上しそうと見る。

　ホクセイジョーカーは少し湿った馬場のほうがよさそう。この原稿のあと雪があるかどうか。キタノダンディはムラな面が目立つが馬格はあるので、一発の可能性は秘める。

　ともあれ今年は例年以上に難しい。逆に先入観のない初心者にアドバンテージがあるようにも思う。1着には上位人気の馬をつけて、あとは自由に組み立ててもよさそうだ。

(文：須田鷹雄)

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