川崎3人目の女性騎手目指す神尾香澄さん「同期には誰にも負けたくない」

東京スポーツ

2020年12月31日(木) 18:00

 川崎競馬場で一人の女性が奮闘中だ。神尾香澄さんは来年4月デビュー予定の騎手候補生。厳しい修業の道に飛び込んだ19歳の今に迫った。

 静岡県裾野市出身の神尾候補生はプロスポーツ選手になるのが小さいころからの夢だという。高校を中退して、地方競馬の騎手になる道を選んだ。

 2歳違いの兄や2011年の女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンに触発されて小学校4年生からサッカーを始め、スピードやフィジカルに勝る男子に臆することなく中学3年生までフォワードで活躍した。

 150センチに満たない小柄だが「一瞬の動きは勝っていたし、気持ちでくらいついていましたね」と笑顔で振り返る神尾候補生。身体能力の高さや勝負の世界に不可欠な気持ちの強さを持ち合わせていることをうかがわせるエピソードだろう。

 7月7日からの競馬場実習は午前2時に起床して約15頭を9時半ごろまで調教し、午後は厩舎作業をするのが日課。そして競馬開催日は馬装の手伝いや鞍磨き、レース後にパトロールビデオを見て先輩ジョッキーの言葉に耳を傾け、レースの流れを勉強するなど充実した日々を過ごしている。

 実習での収穫は現役競走馬を肌で感じ、新たな課題が見つかったこと。「パワーをつける、落ち着いて考えて乗る、体を柔らかく使う。どうしたら馬のリズムを感じ取れるか。まだまだうまくいかないですね。でも、今まで手を抜いたことはないし、私はプロになるんだって、今できる環境で最高のことをしたい」と向上心は人一倍だ。

 所属の山田質調教師は「遅刻は一度もないし、根性がある。ただ、ミスしても気持ちを切り替えるように、落ち込んでも引きずるなとは言っている。とにかく初心を忘れずに。ベテランの藤江(所属騎手)が身近にいるから彼女にとってはいいと思うし、厩舎一丸で育てていきたい」と温かいサポートを約束する。

 1月8日に地方競馬教養センターに戻り、ラストスパートをかける神尾候補生は「同期には誰にも負けたくない」とキッパリ。川崎で安池成実(現調教師)、戸川理彩(2003年引退)以来3人目となる女性ジョッキー誕生の春を心待ちにしたい。

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