【TCK女王盃回顧】ダート牝馬の頂点狙うマルシュロレーヌ(斎藤修)

2021年01月21日(木) 18:00

ダート重賞2勝目をマークしたマルシュロレーヌ(撮影:高橋正和)

 昨年秋には芝から路線変更してきたマルシュロレーヌが混戦で推移してきた戦国の牝馬ダート路線を平定するかにも思えたが、JBCレディスクラシックではまさかの3着。しかしここでマルシュロレーヌは、あらためてダート牝馬では実力が頭ひとつ抜けているのではないかというレースを見せた。

 JBCレディスクラシックではスタートで躓いて逃げられなかったローザノワールだが、今回もダッシュがつかず中団から。内枠に入って包まれることが心配されたプリンシアコメータだが、競りかけてくる馬がいないとなれば、内枠はむしろ好都合。コーナーワークで難なく単独先頭へ。そして1000m通過は63秒9という、願ってもないスローペースの単騎逃げに持ち込んだ。

 2番手のマドラスチェック、3番手のレーヌブランシュが直線を向いて並びかけ、3頭の追い比べに。ペース的にも前残りの展開。しかし3コーナーでまだ後方から3番手、4コーナーでも中団という位置取りだったマルシュロレーヌが並ぶまもなく差し切って見せた。食い下がったレーヌブランシュには半馬身差だが、直線の伸びを見れば着差以上に強い内容だった。

 川田将雅騎手の落ち着いたレースぶりを見ると、スローペースのあの位置からでも差し切れる自信はあったのだろう。勝ちタイムの1分53秒7は、マルシュロレーヌが勝ったレディスプレリュード(1分52秒1・不良)、ファッショニスタが勝ったJBCレディスクラシック(1分51秒1・稍重)と比べると遅いが、砂埃が舞い上がるほど乾いた馬場だったことを考えれば評価の下がるものではない。矢作芳人調教師によると、あらためてJBCレディスクラシックが目標になるとのことだ。

 前3頭の競り合いは、直線半ば過ぎで一旦はレーヌブランシュが先頭に立ったが、このペース、この展開でうしろから来たマルシュロレーヌに差し切られたのでは、勝った馬が強かったというしかない。昨年は関東オークスを制し、古馬との対戦ではやや壁があったが、まだキャリアも浅く、牝馬同士なら再びタイトルを獲れそうな走りを見せた。

 プリンシアコメータは直線半ば過ぎまで食い下がって3着。8歳で58kgを背負ってということであれば、むしろよく粘った。次走、エンプレス杯に出走するのであれば、JpnIIゆえ別定重賞でも1kg増になるだけ。ときに二桁着順もあるこの馬にとって、過去3年のエンプレス杯では2、1、4着と安定しているだけに再度の期待となりそう。

 地元大井のマルカンセンサーは好位のラチ沿いぴったりを回ってきて最後までしっかり脚を使い、JRA勢に食い下がっての4着同着。一昨年のこのレースが2着で、12月のクイーン賞でも差があったとはいえ4着。これだけの成績なら地方重賞なら勝負になってよさそうだが、地方同士の重賞で馬券に絡んだのは前走東京シンデレラマイルの2着が初めてだった。相手なりに走るタイプなのかもしれない。

 スローペースの絶好位2番手を進んだマドラスチェックだったが、直線での追い比べで抵抗できず、マルカンセンサーと同着。今回馬体重プラス13キロの520kgは、過去最高体重より10kgも重かった。加えて1、2着馬より1kg背負わされた別定重量もあり、少しずつ厳しい要素があった。

 ダッシュがつかなかったローザノワールは3コーナー手前でレーヌブランシュの直後まで位置取りを上げたが、そこからまた置かれて見せ場をつくれず7着。3勝クラスを勝った実力なら、牝馬同士ならもっとやれていいはずだが、地方では関東オークスが勝ち馬から3秒も離されての4着で、JBCレディスクラシックでも11着。地方のダートが合わないという可能性はある。

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