【フェブラリーS】角居師最後まで“馬優先”ワイドファラオでラストG1気負いなし

デイリースポーツ

2021年02月19日(金) 06:10

 角居師とワイドファラオ(撮影・石湯恒介)

 「フェブラリーS・G1」(21日、東京)

 家業の天理教を継ぐため、28日をもって勇退する角居勝彦調教師(56)=栗東。最後のG1はワイドファラオで挑戦する。これまでに、のべ204頭の管理馬をJRA・G1に送り出し、歴代2位の26勝を挙げた名将、そして師を尊敬してやまない福永が思いを語った。

 気負わない。いつものように挑むだけだ。角居師が自身最後の大舞台にワイドファラオを送り出す。

 2020年のかしわ記念でG1馬の仲間入り。その後3戦は勝ち星に見放され、前走も9着に敗れたが、指揮官は「ためる練習をたくさん入れたんです。ためは利くようになってお利口さんに走るようになったけど、今度ははじけ方が分からなくなってしまった」と敗因を分析する。

 中間はそのあたりを踏まえて調整。「背腰の疲れを休養で立て直した。もっと走ってくれないかなと思います」と期待した。

 鞍上の福永にとっても力の入る一戦だ。「何といっても角居先生、最後のG1やからね」。同厩舎でのJRA重賞はエピファネイアの13年菊花賞など9勝を挙げている。

「一番の思い出はシーザリオの(05年)アメリカンオークス。鮮明に覚えている。素晴らしい調教師なのは結果が物語っているけど、それ以上に素晴らしいホースマン。この世界から退かれるのは非常に残念だけど、尊敬する先生の最後のG1に乗ることができるのは光栄ですね」とかみしめた。

 これまでJRA・G1歴代2位の26勝を挙げるトレーナーは「馬にとって最後の競馬になるわけじゃないですから。けがのないように、無事に。次の厩舎で頑張れるように渡せたらいいな、というのが一番です。人間の都合は馬にとって関係ない。藤沢和先生からそう教わったので、最後まで教えの通りに、と思っています」とあくまで自然体。残りわずかの調教師生活だが、最後まで信条とする“馬優先”を貫く。

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