【毎日杯】“ジリ脚一族”から待望の切れ者が誕生 グレートマジシャン将来を占う一戦/トレセン発秘話

東京スポーツ

2021年03月25日(木) 18:00

待望の切れ者グレートマジシャン(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 結果が出てみれば「雨垂れ石をうがつ」とも言えようか。何かといえば、今週のGIII毎日杯(27日、阪神芝外1800m)に出走を予定するグレートマジシャンの話である。

 独オークス、バーデン大賞のG1・2勝馬ナイトマジックを繁殖牝馬として購入して以降、生産者のノーザンファームがこだわり続けた種牡馬が天下のディープインパクト。初年度産駒フォイヤーヴェルクから始まって6年連続で種付けを試みたが、兄姉は残念ながら揃ってジリ脚揃い。サドラーズウェルズの血を引く母系の“重さ”を終始打ち破れず、6頭目のグレートマジシャンに至った。そんな血統背景があればこそだろう。セントポーリア賞(東京芝1800m)の後、管理する宮田敬介調教師は苦笑いで裏話を伝えてきた。

「(この血統をよく知る)国枝厩舎のスタッフからはレース後に“アルミレーナノチェブランカの弟が、なんであんなに走るんだよ”と突っ込まれましたよ(笑い)。もっとも、あれほどの切れ味が隠れていたのには僕もビックリ。ノチェブランカより上に高い分だけスピードはあるのかなとは思っていましたが」

 前走の上がり3ハロン33秒3は2位の上がりタイムを0秒9上回る圧巻の数字。2番手から粘る血統イメージ通りの初陣とは一変の走りを見せたのだから、トレーナーが目をしばたたかせるのも当然だろう。すなわち雨垂れは父ディープ、石とは母ナイトマジック。“ジリ脚一族”から待望の切れ者が誕生したわけである。

「前走はソエもあり、坂路主体の仕上げ。加えて緩さがまだまだ残る中で結果を出してきたことにも価値があります。一戦ごとに落ち着きや真面目さが出てきたし、以前と違って重い馬場でも走り切る体幹の強さも増してきた。きょうだいは揃って晩成だし、これからどこまで成長してくれるか楽しみです」(宮田調教師)

 クラシック戦線においては傍流たる毎日杯だが、08年ディープスカイ、13年キズナのダービー馬2頭を筆頭に、ポツリポツリと大物を出す舞台。「相手は強くなりますが、勝ってダービーに向かいたいと思います」と、もはや期待を隠さない指揮官。鞍上ルメールの評価も含めて、将来を占う重要な一戦になるのは確かだろう。

(美浦の傍流野郎・山村隆司)

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