88年ダービーで勇姿を見せたあの馬

デイリースポーツ

2021年05月29日(土) 18:40

第55回ダービーで、メジロアルダン(18)とのたたき合いを制したサクラチヨノオー(5)=1988年・東京競馬場

 おませな中学時代を過ごした私が、初めてブラウン管越しに見たダービーは87年。メリーナイスがあっと驚く圧勝劇を演じ、完全に軽視していた私は開いた口がふさがりませんでした。あの時の根本康広騎手のガッツポーズ、派手でしたね〜。のちの藤田菜七子騎手の師匠です。

 今年のダービー。木曜に枠順が発表されましたが、逃げると目されているバスラットレオンがまさかの大外枠に-。宮内助手に枠順を告げると「やることは決まっていますからね。中途半端な外枠よりも、ここならかえって腹をくくれます。前向きに考えますよ」とプラス思考でした。

 この時にふと思い出したのが「アドバンスモア」です。サクラチヨノオーメジロアルダンが火花散る追い比べを演じた88年ダービーで、誰が見ても短距離向きのこの馬が大外枠から果敢にハナへ。結果は予想通りの大沈没(ちなみに24頭立ての24番人気、24着でした)。それでも、あれから30年以上経った今でも、あの勇姿を鮮明に覚えているのだから、彼の挑戦は決して愚弄されるものではなかったと私は思います。

 時代は移り変わり、今では昭和の“テレビ馬”は存在価値がなくなり、完全に絶滅しました。それでも、競馬というスポーツは、いつの時代にも個性派が不可欠。勝った負けたは時の運ですが、出走各馬が与えられた舞台で存分に持ち味を生かし、輝きを放つことがファンの胸に響くものです。

 ネットで検索すると“究極のテレビ馬”というワードがヒットしたアドバンスモア号ですが、私は胸を張って後輩記者に紹介しました。20歳以上も年下の彼でも、88年ダービーのVTRを見て、そのけれん味のない逃げの姿に感激していました。興味を持たれた方はぜひご覧下さい。そして、好メンバーがそろった今年のダービーで、出走17頭が悔いのない熱戦を繰り広げることを心から願っています。(デイリースポーツ・松浦孝司)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す