【さきたま杯回顧】スピード決着を制したアルクトス/斎藤修

2021年06月04日(金) 18:00

さきたま杯を優勝したアルクトス(撮影:高橋正和)

 浦和1400mは、2コーナーまででほぼ大勢が決まると言っていい。直線入口からのスタートで、1コーナーまでは280mほどしかない(ゴールまでは220m)。スタートしてスピードに乗ったところで1コーナーを迎えるため、逃げたい馬が何頭かいると先行争いが激しくなる。

 今回は、ベストマッチョがそもそもスタートダッシュが速い上に、外枠からプレシャスエースがやや強引にハナを取りに行ったことで前半の流れが速くなり、3F通過は35秒2。その2頭より内の4番枠に入ったワイドファラオは、ブリンカーを着用して「理想は先手を取るレース」という事前のコメントが出ていたにもかかわず、前2頭の行きっぷりを見てあっさりあきらめ、外に持ち出しての好位3番手に切り替えた。

 そのうしろ、4、5番手を追走していたのが、結果的に1、2着を争うことになったエアスピネルアルクトスだった。

 勝敗の分かれ目は、エアスピネルが内にこだわったのに対して、アルクトスは1番枠ながら徐々に外に持ち出していたことだろうか。直線を向いてベストマッチョが先頭に立つと、エアスピネルは前3頭がカベになって一瞬行き場に迷うような場面があった。ラチ沿いのプレシャスエースがバテて後退したためそこから抜け出すことができたが、外のアルクトスには前に邪魔するものは何もなく、自身のタイミングで存分に追ってくることができた。そもそもアルクトスは別定2kg増を背負っているので、1/2馬身という着差以上の完勝だった。

 勝ちタイムの1分24秒9は、2000年にレイズスズランが勝ったとき(1分24秒7・稍重)以来の1分24秒台。この日の馬場は稍重で始まり途中から良に変わったように、ややタイムの出やすい馬場であったとはいえ、今の浦和で1分24秒台は速い。ちなみにオーバルスプリントでも、1400mで争われるようになった2005年以降(中央との交流となったのは2011年から)、1分24秒台は一度もない。

 レースの上り3Fが37秒4のところ、勝ったアルクトスは36秒6で、2着エアスピネルは36秒8。アルクトスは昨年の南部杯制覇がダート1600mの日本レコードで、エアスピネルは今年のフェブラリーSでメンバー中最速の35秒2で上って2着。今回良馬場とはいえスピードの出やすい馬場で、ダートのスピード決着に実績のあった2頭での決着ともいえる。またこの2頭は地方のコーナー4つの1400mは今回が初めてだったが、小回りコースをうまくこなしたことも大きい。

 3着がワイドファラオで、4着がベストマッチョと、単勝一桁台の4頭が人気順の決着。速い流れの展開なりに、人気馬はそれぞれ能力を出し切っての結果といえる。

 そして中央オープンから浦和移籍初戦で仕上がり途上だったハイランドピークが5着。ここまでが1分25秒台。GI/JpnI実績馬が上位3着までを占めただけでなく、全体的にハイレベルな決着だった。

 連覇のかかったノボバカラは、道中は勝ち馬と同じような位置を進んだものの、3コーナー過ぎから徐々に置かれて9着。昨年も前半35秒2という今年とまったく同じペースで、ノボバカラは先頭から4、5馬身あたりの同じようなところを追走していた。しかし今回は勝負どころからのラップが昨年ほど落ちることがなく、それに対応できなかった。

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