【関屋記念】“競馬界のベストアクター”の柴田善臣がベストアクターで今週も笑う!/トレセン発秘話

東京スポーツ

2021年08月13日(金) 20:20

柴田善臣Jとのコンビで勝利を狙うベストアクター(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 8日新潟のレパードS(メイショウムラクモ)でJRA最年長重賞勝利記録を更新したかと思えば、翌日盛岡のクラスターC(リュウノユキナ)で2日連続の重賞勝ち。“時の人”柴田善臣が美浦に現れると、方々から「おめでとう!」の声が上がる。余裕の笑顔で応える姿は、まさに千両役者。“競馬界のベストアクター”だ。

 次々と関係者の祝福を受けるも、記録のことを聞かれると「年がバレる。もういいだろ」と冗談交じりに苦笑い。肉体的にも精神的にも、まだまだ若い55歳。本格的な夏の到来とともにギアをグンと上げてきた大ベテランは、好調を保ったまま関屋記念に臨む。

 11日にはコンビを組むベストアクターの最終追い切りにまたがり、坂路でヴィアメント(古馬3勝クラス)、ネバーゴーンアウト(古馬2勝クラス)相手に4ハロン53.1-12.5秒で余裕の併入。久々を感じさせない動きを見せた。

 柴田善は「リフレッシュして歩様が良くなった。先週、今週と乗ってこの馬なりにスムーズになっているからね。あがった時の息遣いが少し気になったけど、今日やったことで良くなるんじゃないかな。元気は良かったから」と手応え十分の様子だ。

 昨年の阪急杯で見事、重賞初制覇を果たしながらも…。その後は脚部不安で長期の戦線離脱を余儀なくされ、丸1年ぶりとなった今年の阪急杯では16着に沈んだ。陣営は当初、次走に京王杯SCを予定していたが、目標を変更。早めに厩舎に入れて、ここまでじっくり仕上げ直してきた。

 鹿戸調教師は「時計的にはまずまず動けたし、脚元に関しても問題ない。前走は久々で流れに乗り切れなかったのが敗因。放牧を挟んで乗り込んでおり、前走よりは良くなっているし、乗り役が絶好調なのであやかりたい」と鞍上の手腕に期待を寄せている。

 冷静に考えれば、好走を期待するには厳しい状況ではあるのだが…。それでも今の柴田善なら何かやってくれるのでは。そう期待せずにはいられない。

(美浦のあやかり野郎・垰野忠彦)

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