【セントライト記念】ドゥラメンテの“現最高傑作”タイトルホルダー 天国の父に捧げるV/トレセン発秘話

東京スポーツ

2021年09月15日(水) 18:21

ドゥラメンテ産駒の“出世頭”タイトルホルダー(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 名馬の血はしっかりと次世代へ受け継がれているのか?

 その再確認をする場となるのがGIIセントライト記念(20日=中山芝外2200メートル)。先月末に急性大腸炎でこの世を去ったドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーが出走するからである。

 ドゥラメンテ母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、曽祖母ダイナカールとさかのぼる国内屈指の超良血馬で、2015年に皐月賞日本ダービーの2冠を達成。デビューから9戦5勝、国内で敗れたレースはいずれも僅差の2着と抜群の強さと安定感を誇った。ちなみにあの7冠馬キタサンブラックとは3度対決していずれも先着。故障で4歳時の宝塚記念(2着)を最後に早々にターフを去ったのが悔やまれる逸材だった。

 17年から種牡馬生活がスタート。今回の主役タイトルホルダーは初年度産駒の中の一頭で、3月の弥生賞ディープインパクト記念を制して産駒の重賞初制覇を飾った“出世頭”だ。皐月賞ではエフフォーリアに屈したものの2着に粘走、クラシック最後の1冠奪取も決して夢ではない実績と実力を誇示してきた。

 本番・菊花賞を前にドゥラメンテの“現最高傑作”は果たしてどんなレースを見せるのか。管理する栗田調教師は改めてドゥラメンテに対して「心からご冥福をお祈りします」と口にした後、「我々にできることはこの血をしっかりとつないでいくこと。お父さんと同じレベルにまで達するのはなかなか難しいだろうが、少しでも近づけるように。その責任を感じている」と神妙な面持ちで決意を語った。

 そう、この一戦は単なる本番への試走にはあらず。種牡馬として頂点を目指す矢先に9歳で逝った父の弔い合戦なのだ。

 さらに言えば、タイトルホルダー母メーヴェはトレーナーの義父にあたる栗田博憲元調教師の管理馬だった。貴重な血を受け継ぎ、それを発展させていくためにも二重の意味で負けられない。まさにかける意気込みが違う。

 そして鞍上は弥生賞ディープインパクト記念で勝利に導いた横山武。クセが分かっているのはもちろん、夏の函館&札幌でリーディングジョッキーに輝いた絶好調男だ。

「ここ目標に順調にやってきた。ジョッキーも“反応がいい”と言ってくれている」とは栗田調教師。タイトルホルダーの最大の武器となる機動性、すなわち自ら早めに動いていき、最後までしぶとく走り切るVイメージはすでに固まっている。

 前哨戦を勝って菊花賞へ――。勝利を重ねることこそが、父への何よりの供養となる。栗田調教師もまた勝ち続けることが、ヤマニンゼファー(安田記念連覇、天皇賞・秋)、イスラボニータ(皐月賞)といった名馬を育てた義父への何よりの孝行になることだろう。 

(美浦の追悼野郎・垰野忠彦)

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