【神戸新聞杯】ステラヴェローチェ雪辱V 末脚さく裂!不良馬場味方にダービー馬撃破

デイリースポーツ

2021年09月27日(月) 08:58

 激しく競り合うレッドジェネシス(右)とステラヴェローチェ(撮影・石湯恒介)

 「神戸新聞杯・G2」(26日、中京)

 2番人気のステラヴェローチェが不良馬場を味方に持ち前のパワーを発揮し、20年のサウジアラビアRC以来となる2つ目の重賞タイトルを手にした。2着に5番人気のレッドジェネシス、3着には8番人気のモンテディオが入り、1番人気のダービー馬シャフリヤールは、直線で伸び切れず4着に敗れた。

 一つ借りを返した。皐月賞&ダービーでともに3着に泣いたステラヴェローチェが、春の悔しさをバネに大幅な成長の跡を示した。

 朝から降り続く雨が止まらない。9R終了後に芝は重→不良へと発表が変更。こうなると、タフな馬場にめっぽう強いバゴ産駒の出番。ひと夏越して、馬体も18キロ増。パワーを遺憾なく発揮した。

 スタート直後は頭を上げてスピードに乗り切れず、後方2番手を追走。道中は折り合いに専念し、直線勝負にかけた。ラスト1Fは横一線の根性比べ。外でもがくダービー馬を横目に、馬群の真ん中を突くと、ギアがもう一段上がった。メンバー最速の上がり3F35秒6の末脚がさく裂。ゴール寸前で、先に抜け出したレッドジェネシスをきっちりととらえてゴールを貫いた。

 引き揚げてきた吉田隼は全身泥まみれ。額の汗を拭って「こういう馬場だったので最後はバテバテになりましたが、よくかわしてくれました」と愛馬の健闘をねぎらった。4カ月ぶりの実戦に「まだ全体的に緩さは残っていますが、体つきがゴツくなった」と成長を感じつつも、手放しでは喜ばない。「ゲートで子どもっぽい面を出したり、勉強するところはある」と、大舞台を見据えて精神面の成長を課題に挙げた。

 見守った須貝師も「勝つには勝ったけど、勉強するところも多々見つかった」と鞍上に同意。それでも、春に涙をのんだ2冠を思い返して「ここで挽回できた」と最後の1冠・菊花賞(10月24日・阪神)へ向けての確かな手応えをつかんだ。

 白毛のアイドル・ソダシと秋のG1へ挑む須貝師&吉田隼の名コンビが、見事にダービー馬を撃破。主戦は「無事に前哨戦を勝ってくれた。次はどんな馬が相手でもやってやる、という気持ちで挑みたい」と語気を強め、高らかと菊獲りへ名乗りを上げた。

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