【京都大賞典】北海道でいい夏を過ごしたディアマンミノルに“実りの秋”が来る!/トレセン発秘話

東京スポーツ

2021年10月06日(水) 18:01

北海道で夏を過ごしたディアマンミノルに注目!(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和

 ひと昔前、一部のトラックマンの間でまことしやかにささやかれた、秋競馬の格言がある。

「北海道帰りは黙って買い」

 夏の間に全国各地を転戦していた馬や放牧に出ていた馬が、秋になると東西トレセンへと集結。それぞれ違った夏を過ごしてきた馬たちの能力比較に頭を悩ませることになるわけだが、そういう場合は函館、札幌を経由した馬を買っておくべきとの“秋競馬必勝法”。夏の酷暑の中を内地で稼働していた馬に比べ、北海道組は優勢との見立てによるもので実際、格言に倣って高配当にありついたなんてことも…。

 確かに内地での開催よりひと足先に番組編成替えが実施され、3歳馬が古馬と混走となり、新馬戦もスタートしていた時代。夏真っ盛りのころにはリーディング上位のジョッキーが集結したりもして、“第3場のローカル開催”というイメージとは違った、レベルの高い競馬が行われていたものです。気候のいい場所で切磋琢磨してきた馬たちが秋になって躍動するという見立ても、あながち間違いではなかった気がします。

 ただし、トレセン施設が充実し、輸送の技術も当時に比べ格段に進歩。近郊の牧場と連携した馬の入れ替えも頻繁に行われる昨今の情勢では、秋になって疲弊しながらも出走を続ける馬を見ることもまれになりました。番組編成替えの時期も統一され、それに伴って全国のレースレベルも均一化。誰もがどこでも各地で行われる全レースを購入することができるようになり、過去のレース映像を簡単に検索、閲覧できるようになった時代です。もはや“第3場”とされた時代のごとく、北海道競馬へのマークが緩むことも期待できず、かの格言とともに思い出は遠くなりにけりです。

 しかし、いまだについつい北海道組の動向に注目してしまうのは、はるか昔にいい思いをしてしまったがゆえでしょうか。GII京都大賞典(10日=阪神芝外2400メートル)の登録メンバーを見渡して、最初に目がいってしまうのはディアマンミノル。ハマった時の破壊力は重賞級ながら、テンにズブくてポジションを取れない馬というイメージから、小回りの北海道競馬への参戦に少し違和感を覚えながらも、函館&札幌記念では「何か秘策があるのでは? 」との邪推から、流し馬券を買っちゃいましたもんね。結果は函館記念4着、札幌記念8着でしたけど…。

函館記念は前半に飛ばしていた馬が急激に下がってきて、大外を回らざるを得ない展開となったことを考えれば、内容は悪くありませんでした。札幌記念はメンバーが揃っていましたし、前に行った馬が止まらず、うまく脚もたまらなかったようです」

 中井助手は北海道の重賞2戦をそう振り返った後、「この馬の場合はうまく脚をためられるかが大事だと考えているんです。だからゆったり流れる長距離戦のペースが合っていて、後方の位置取りになるのも仕方のないところではあるんです」と続けたが、北海道シリーズ参戦が決して無駄ではなかったとの言葉も。

札幌記念後は放牧に出ていて、今回はトレセンに帰厩して間もない競馬になるんですが、1週前追い切りではいつもの前半から促してという感じではなく、自分から先行する相手を捕らえに行くような反応を見せていましたからね。札幌記念を使った効果で、今回はピリッとした雰囲気でレースへと臨めそうです」と中井助手は北海道経由の臨戦過程が吉と出そうな気配の良さを伝えてくれた。強敵相手の小回り2000メートルの厳しい戦いを経験したことで、自然とレースでの行きっぷりが良くなり、走りの質を一段上げることができれば、待望の重賞制覇も夢ではないはずなのだ。

「いやいや、まだ背腰の弱いところがありますし、重賞はそんなに甘くはないでしょう。でもパンとしてくれば、必ず走ってくる馬だと信じていますし、いずれは重賞を勝たせなければならない馬だとは思っています」

 北海道でいい夏を過ごしたディアマンミノルがイメージを一新する走りで実りの秋を迎えることを信じて、重賞制覇を果たすその日まで追い続けたいと思ってます。

(栗東のバーン野郎・石川吉行)

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