【菊花賞】タイトルホルダー逃走V 横山武、父ほうふつ快心騎乗 史上4組目の父子制覇

デイリースポーツ

2021年10月25日(月) 06:13

横山武史騎手騎乗のタイトルホルダーが逃げ切りV (c)netkeiba.com

 「菊花賞・G1」(24日、阪神)

 42年ぶりに阪神を舞台に行われた菊花賞は、4番人気のタイトルホルダーが鮮やかに逃げ切って5馬身差の圧勝でG1初制覇。横山武史(22)=美浦・鈴木伸=は、皐月賞に続く今年の牡馬クラシック2冠目をゲットした。2着に3番人気オーソクレース、3着に6番人気ディヴァインラヴが入った。なお、1番人気のレッドジェネシスは13着、2番人気のステラヴェローチェは4着に終わった。

 皐月賞馬、ダービー馬不在のラスト1冠。混戦ムードを断ったのは、大ブレイク中の横山武が手綱を取ったタイトルホルダーだった。

 好スタートを切ると迷わずハナへ。前半1000メートル通過は60秒0とやや速めだったが、そこから巧みにペースを落としていく。全ては計算通り。直線でライバルが懸命に追いすがるが、涼しい顔で後続に5馬身差をつける、圧巻の逃げ切りを決めた。

 ゴール後、そして引き揚げた際にも派手なガッツポーズを披露した鞍上は、「前走は本当にひどい競馬になってしまった。だからより一層勝ちたかった」と喜びをかみしめた。セントライト記念では何もできず13着と大敗。リベンジとばかりに大胆な騎乗を脳裏に浮かべながら、大舞台に臨んだ。

 23年前の菊花賞がヒントだった。父・典弘が手綱を取った98年セイウンスカイ以来の逃走劇。「どスローで行くよりも、セイウンスカイのように淡々と進める方がいいと思っていた」とレースを組み立て、皐月賞エフフォーリアに続く自身の今年の牡馬クラシック2冠目をつかみ取った。この日、阪神で騎乗した父からも祝福を受け、「“良かったな”のひと言でしたが、いつも言葉は短い人。この短い言葉の中にもいろいろな思いがこもっているのだと思います」と史上4組目の父子制覇に目尻を下げた。

 管理する栗田師はJRA・G1初勝利で「ホッとしました」と安どの表情。「前走は本人(横山武)もすごく悔しい思いをしたと思うし、これを乗り越えればジョッキーも厩舎も一流になれると思ってやってきました」と充実感をにじませた。

 牡馬クラシック2冠を達成しながら父ドゥラメンテが出走できなかった最後の1冠を奪取。その名の通り大きな勲章を手にしたタイトルホルダーが、さらなる栄冠に向かって突き進んでいく。

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