【JBC2歳優駿回顧】後方から流れに乗ったアイスジャイアント快勝/斎藤修

2021年11月04日(木) 19:30

アイスジャイアントが後方から差し切り優勝した(撮影:田中哲実)

 このレースは昨年も前半緩みのないハイペースとなったが、今年は昨年以上のペースを刻んだ。1000メートル通過が1分を切る59秒8。朝まで雨が降っていての重馬場とはいえ、仮に古馬のレースだったとしてもこのラップは速い。同じ距離の前哨戦サンライズC(不良)ではシャルフジンが逃げたペースが62秒3だったから、そのときの前半のペースより2秒5も速い。

 ハナをとったのは兼六園ジュニアCを逃げ切ったエンリルで、2番手のシャルフジンはそもそも折り合いに課題があって行き脚がついてしまい、1〜2コーナーを回るあたりで服部茂史騎手は抑えるのに苦労する様子だった。

 向正面に入ると、中央のコマノカモンオディロン栄冠賞勝ちのモーニングショーらが追走し、前は6頭がほぼ一団。そこから5馬身ほど離れた中団が、地元のナッジ、リコーヴィクター。このあたりがペース的には適正だったようで、結果的にそれぞれ2、3着。エンリルは直線に向いたところで一杯になって13着。シャルフジンも後続に来られたところで苦しくなり、それでもなんとか5着に粘った。

 勝ったアイスジャイアントは1コーナーを最後方でまわり、向正面で位置取りを上げたが、それでもまだ中団よりうしろ。2番枠でも向正面で外に持ち出していたことで、馬群に揉まれることもなく、メンバー中唯一の上がり3F=38秒台(38秒4)で差し切った。ダートの新馬戦を勝っただけのキャリア1戦だったが、ペースを読んだ三浦皇成騎手の落ち着いた好騎乗でもあった。

 前半ハイペースとなっての勝ちタイムは1分53秒0。前身の北海道2歳優駿も含め、中央との交流で門別1800mで実施された時の過去の勝ちタイムとの比較でも3番目に速いものだった。

 父ダンカークは輸入後、今年の2歳が5世代目の産駒。これまでの活躍馬には、ジュニアグランプリサマーチャンピオンでともに2着だったメイショウテンスイ、地方重賞の勝ち馬にエアーポケット(笠松・西日本ダービー)、サウスグラストップ(笠松・新緑賞)などがいるが、アイスジャイアントの勝利が日本でのグレード初勝利となった。

 終始ラチ沿いを通ってきたナッジはそのまま内から伸び、直線半ばでは先頭に立ちかける場面があっての1馬身半差2着。距離延びての成長をここでも示し、勝っていてもおかしくない内容。勝った馬が強かった。

 リコーヴィクターも直線よく伸びて3着。2着ナッジとの1馬身差は、外を回ってきたぶんだっただろうか。

 直線に向いたところで先頭に立ったオディロンが勝ったかと思える場面もあったが、向正面で先団にとりついての直線入口で先頭は、ペースを考えるとタイミングが早かった。

 地元北海道勢は、サンライズCの上位3頭が、順序を変えて掲示板を確保。この3頭は今後も全国区での活躍が多いに期待できそう。特にゆったり流れるこの距離では掛かって行ってしまうシャルフジンは、(出走するかどうかわからないが)全日本2歳優駿で速いペースで引っ張ってくれる馬がいれば、あらためて期待できるのではないか。

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