コントレイル 父ディープ真の後継者へ もう負けられない

デイリースポーツ

2021年11月27日(土) 10:00

 秋の天皇賞で2着に敗れたコントレイル(左)=10月31日

 「天皇賞(秋)・G1」(2021年10月31日、東京)

 令和の3冠馬コントレイルが、ジャパンC・G1(28日、東京)でラストランを迎える。無敗で3冠を制した名馬の軌跡。5回目のラストは試練の2021年を振り返る。

  ◇  ◇

 21年はコントレイルの独壇場になると、誰もが疑わなかった。無敗3冠達成後のジャパンCで初黒星(2着)を喫したとはいえ、相手がG1・9勝の女帝アーモンドアイなら仕方のない部分もある。だが、菊花賞の疲れが残る中での激走は、3冠馬のリズムと天運を徐々に狂わせていった。

 年明け初戦の大阪杯は前走からプラス16キロの472キロ。太め感なく筋力アップした姿にさらなる進化を期待させたが、天は試練を与える。「パドックで取り消したい気持ちだった」。矢作師がそう振り返るほどの大雨により、「重」へと変化した馬場。自慢の切れ味はそがれ、3着に沈んだ。昨秋から残る疲れと、タフな馬場によるダメージは予想以上に大きく、その後は春全休を余儀なくされた。

 9月末の帰厩から1週間後、天皇賞・秋とジャパンCの2戦で引退することが発表された。復権に向けて陣営の調整も熱を帯びたが、そこにはある反省が生かされている。師いわく、「今思うと、大阪杯は(馬体が)重過ぎた」。迎えた前走の天皇賞・秋では、マイナス8キロの464キロ。日本ダービーを制した時(460キロ)とほぼ同じ姿こそが、ベストという結論に至った。

 わずかなスタートの出遅れが響き、3歳馬エフフォーリアの後じんを拝す結果となったが、それでもやるべきことは間違っていないと陣営は前を向いた。いざ、有終の美へ-。あとは父ディープインパクトの真の後継者として、その実力を見せつけるだけだ。もう、負けられない。

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