【東京大賞典回顧】得意の舞台でオメガパフュームが4連覇/斎藤修

2021年12月31日(金) 09:00

見事に同一GI・4連覇の快挙を成し遂げたオメガパフューム(撮影:高橋正和)

 今年ここまで3戦勝ち星がなく、しかも得意としていた大井の帝王賞でも5着に敗れていたオメガパフュームは、今回も決して楽な展開ではなかったが、それでも見事に同一GI・4連覇という国内初となる記録を達成してみせた。

 スタートが心配されたオメガパフュームだが、ほぼ互角にゲートを出て、それでもやはりダッシュはつかず、行く馬を行かせて外に持ち出した。

 前半置かれてしまうオメガパフュームにとって、逃げたキャッスルトップのペース配分は少なからず味方になった。最初の3Fを35秒2と速いペースで入り、後続を離した4、5F目で13秒台にラップを落とした。これはジャパンダートダービーを逃げ切ったときと同じようなペース配分。違っていたのは、今回は古馬一線級が相手だったこと。キャッスルトップにとっては、そのまま楽に逃してもらえるほど甘い相手ではなかった。

 前半縦長だった馬群が、ペースが緩んだレース中盤で一気に凝縮。2番手にいたアナザートゥルースキャッスルトップに代わって先頭に立ち、前走JBCクラシック同様好位がとれたミューチャリーもその直後。オメガパフュームもここで一気に先団にとりつくことができた。その内にはクリンチャーキャッスルトップは一杯になって早々と後退し、3コーナーからはアナザートゥルースを先頭に、直後で人気3頭が勝負に出るタイミングをうかがった。

 4コーナーを回るところで外から一気に勝負を仕掛けたオメガパフュームだったが、ミューチャリーが外に膨れた煽りをくって大きく外に振られた。そこで前をとらえて抜け出しにかかったクリンチャーだが、ダートでは一瞬の切れる脚はなく、それでも残り200mでじわじわと先頭に立つと、すぐに立て直したオメガパフュームが並びかけ、2頭の追い比べ。最後はダートでの底力にまさるオメガパフュームが振り切った。

 4コーナーで外に振られたロスを考えれば、オメガパフュームは1/2馬身という着差以上の強さ。表彰後のインタビューで安田翔伍調教師が「おそらくこれが最後のレースになるのかなと思います」と話していたので、これで引退となるようだ。今、日本のダートではゴールドアリュールの後継種牡馬が活躍を始めているが、オメガパフュームは母の父がゴールドアリュール。そして父系が、自身も産駒もダートの短距離で大活躍したサウスヴィグラスと同じエンドスウィープ系ということでは、日本のダートに合ったさまざまな条件で活躍する産駒が期待できそうだ。

 一方のクリンチャーは、4コーナーでライバルが外に膨らんだことで視界がひらけたが、それでも突き抜けるまでには至らず。ダートに転向したあと僅差の2着3着が5戦続いたところなど、トップレベルのダートでは最後のひと押しに欠ける印象だ。

 縦長の展開になっても最後方からという、今回も自分のレースを貫いたのがウェスタールンド。4コーナーでもまだ13番手という位置から大外を追い込み、レースの上り3Fが37秒3のところ36秒7という脚を使い、昨年と同じ3着。9歳でもまだまだ元気で、勝ち切るにはペースや展開次第といえそう。

 地方期待のミューチャリーは、直線を向いての追い比べに屈し、ウェスタールンドにもハナ差交わされての4着。4歳以降、ダートGI/JpnIでの4着はこれで4回目、5着も2回あり、中央のトップクラスを相手に安定して勝ち負けするには、もう一段階のパワーアップがほしいところ。

 ロードブレスは、3コーナーで凝縮した先行集団のうしろ。直線でも伸びてはいたが、前と脚色が一緒になってしまった。唯一のダートグレード勝ちが、前が競り合ってハイペースとなった昨年の日本テレビ盃で、その後、2着3着が計5回あるように、この馬も一線級相手に勝ち切るには展開の助けが必要。

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