【京成杯】アライバル賞金加算へ「ここが一発勝負」/POGマル秘週報

東京スポーツ

2022年01月13日(木) 18:01

京成杯に出走予定のアライバル(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 関東圏では年が明けて最初の牡馬が出走できる3歳重賞・GIII京成杯(16日。中山芝内2000メートル)が行われる。皐月賞と同舞台とあって、クラシックに直結してもおかしくない立ち位置ながら、前年暮れに同舞台のGIホープフルSが施行されるようになったことや、皐月賞まで約3か月のレース間隔もあって、もうひとつクラシックに直結していない印象だ。一昨年の勝ち馬クリスタルブラック、昨年のグラティアスはいずれも京成杯V後に皐月賞に直行し、16、6着に敗れている。

 もっとも今年のメンバーの中で、アライバルに関しては出走に至る過程、狙いが例年のパターンとは少々違う。同馬は昨夏のGIII新潟2歳Sの2着馬。そこから休み明けでの出走となるが、仕上がりの進み具合としては暮れのホープフルSへの出走も可能だったはずだし、逆にもう少し出走時期を延ばし、共同通信杯弥生賞スプリングSといった王道のトライアルを選択する道もあった。

 管理する栗田調教師は「あまり(レースの)数を使えない状態なので、確実に賞金加算をして、皐月賞に向かうため」とここに出走を決めた意図を説明。右前脚の球節に不安があるため、このレース間隔でしか使えない現状で、なおかつ相手関係が前述のトライアルよりも落ちる傾向もあり、その最善の策として京成杯を選択したわけだ。

 もちろん、体質に関してはレースに出走するうえで大きな不安を抱えるほどのレベルではない。「(放牧から)戻った時の感じがパワーアップしていると思ったし、厩舎では攻めすぎずリラックスさせるような調整をしてきたが、動きはいいし、何より脚元が安定しているのがいい」と指揮官は同馬の成長と動きの良さに手応えを感じている。

 6日の1週前追いでは単走ながら南ウッドでびっしり追われて6ハロン80.4-12.1秒の好時計。「スムーズに折り合って、しっかり負荷もかけられた。もともと動く馬だけど、動きは申し分ないですね。490キロくらいのプラス体重で行けそうだし、馬がものすごくエネルギッシュ」。数を使っていないことが逆に活力に満ちた走りをもたらしているようだ。

 新潟2歳Sは「軽い馬場に脚をとられた」(同師)状況で0秒2差2着。勝ち馬セリフォスはその後GIIデイリー杯2歳Sも連勝し、GI朝日杯FSでも0秒1差2着と世代屈指の好素材で、机上の計算でもGIIIレベルなら同馬の実力で勝ち負けできるはず。「春のローテーション(の中の一戦)というよりは、ここが一発勝負。トライアルから本番ではないので、何としても賞金加算をしたいですね。パワータイプで最後もいい脚を使うから今の中山は合うし、距離もこれくらいあったほうがいい」

 アライバルにとっては皐月賞へ一戦必勝の構え。結果はもちろん、その中身も問われる戦いになりそうだ。

(立川敬太)

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