出世レースに“イケメン”登場! アンテロースはハートを射抜く/POGマル秘週報

東京スポーツ

2022年06月22日(水) 19:13

 ダービーウイークのことだ。ルーティンワークの厩舎回りをしていると、ある関係者に呼び止められた。記者が手に持っていた某競馬週刊誌を見せてほしいと。そしてダービー出走馬たちの写真を見ながら、こんなことをつぶやいた。

「やっぱりダービーに出るような馬は顔つきからして違うよな〜。みんな格好いいもん」

 以前から「格好いい名前の馬は走る説」に対して、「走る馬の名前は格好よく思えてくる説」を唱えてきた当方。それゆえ「イケメンホース=走る説」にイエスとは即答できなかったのだが…。

「最近、はやりのウマ娘に出てくる馬たちだってそうじゃない。トウカイテイオーなんて、びっくりするくらい男前だったんだからさ」

 画像を確認すると、確かにこれはイケメンだ。

「でしょ。単に顔つきの話だけじゃなくて、内面から出てくるものがあるんだと思うんだよな」

 そういえば、あのディープインパクトも「目の輝きを見て」金子真人オーナーは購入を決めたという。血統や体形だけでなく、顔を見るのも「相馬眼」を養うためには大事なポイントのひとつなのかもしれない。

 かなり前振りが長くなってしまったが、本題はここから。宝塚記念当日(26日)に行われる阪神芝外1800メートル新馬戦といえば、2020年ダノンザキッド(ホープフルS)、17年ダノンプレミアム(朝日杯FS)など、後の重賞勝ち馬が多数勝ち上がっている出世レース。そんな注目の番組に楽しみな“イケメンホース”が出走する。

 アンテロース(牡=父モーリス母シャブリ・岡田)はシュッとした顔立ちに、額にはハート形の流星。二次元の世界から飛び出してきたようなその風貌は、何か“持っている”と期待を抱かずにはいられない。

「検疫の時から女医さんやスタッフの方々がとても注目してくれて。“顔のいい馬は走る”というのはよく聞きますし、この馬にも頑張ってほしいですね」とは担当の北野助手だが、もちろん、顔だけでなく、中身も伴っている。近親に世界ランク1位にも輝いたジャスタウェイがいる血統馬で「スピードがあって、初めてウッドで追い切った時から楽にいい時計が出ました。首差しや背中の柔らかさなどを見ると、母父のディープインパクトが出ている感じがします。フットワークも素軽いですよ」。

 ドウデュースで今年のダービーを制したキーファーズ・松島正昭オーナーの長女、松島悠衣氏が代表を務めるインゼルサラブレッドクラブの所有馬。同クラブは12日の函館新馬戦でクリダームが所属馬初出走、初勝利を決めるなど勢い十分で、もちろん、相性抜群の武豊騎手とのコンビなのも心強い。

 アンテロースとはギリシャ神話の「返愛の神」。その特徴的な流星のように、ファンのハートを射抜く走りを見せてくれるに違いない。

(西谷哲生)

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