うれしさを隠し切れなかった。６日に行われたヤングジョッキーズＴＲ大井第２戦で、６番人気のクラッチシュート（牡４歳）に騎乗した新人の水沼元輝騎手（２０）＝美浦・加藤和＝が初勝利を達成。ゴール後には派手なガッツポーズで喜びを爆発させ、「本当に良かったです」と満面の笑顔を見せた。

　３月のデビュー後、勝てないまま９月２日に誕生日を迎えた。「未勝利で２０歳を迎えてしまったなと思っていましたが、自分へのいい誕生日プレゼントになりました」と振り返った。

　同期には重賞制覇を達成した今村聖奈などがいる。「同期の活躍を見て早く勝ちたいと思っていました。正直なところ焦りもありました」と心境を明かす。まだ１勝-。それは十分に分かっている。ただ、「いい経験になりました」と、この勝利によって得たものは大きい。次なる目標はＪＲＡでの１勝。「一つでも上の着順を目指していきたいです」と真っすぐに前を向いた。まだ騎手としての第一歩を踏み出しただけ。本当の戦いはこれから始まる。（デイリースポーツ・小林正明）