「サウジＣデー諸競走」（２５日、キングアブドゥルアジーズ）

　３月から調教師に転身する福永祐一騎手（４６）＝が２５日、サウジアラビアで２鞍に騎乗し、国内外で２７１９勝を挙げたジョッキー人生に別れを告げた。騎手・福永祐一の最後の雄姿を目に焼き付けようと、馬が刺しゅうされた鮮やかな着物でこの日を迎えた翠夫人。競馬場に来るまでの間、「２人で“ここまでありがとうな”と自然に言い合っていました」と振り返り、「きょうで私もジョッキーの妻を引退ですね」と感慨深げに話した。

　最後のレース、そして、引き揚げるまでをしっかり見届けると、止めどなくあふれる涙が頬を伝った。「本当に最後なんだなと。ゲートに入る時に、“入らないで”って気持ちになったし、“終わっちゃう”って…。でも、レース中に涙を全部出し切ったので、ここからは次に進みます。無事にジョッキー人生をゴールできて、万々歳です。お疲れさま、ありがとう、と声を掛けたいです」と瞳を潤ませつつ笑みをこぼしていた。