中央競馬史上初“離れ業”で24年ぶり中止回避 交渉決裂で1342人スト決行も定年非組らで「開催調整」

スポニチ

2023年03月17日(金) 20:12

調教スタンドの厩務員控室前に張り出された「決裂」の張り紙(撮影・坂田 高浩)

 JRAの厩務員、調教助手組合のストライキで開催が危ぶまれた18、19日の中央競馬は、同組合員抜きで開催する方針をJRAが発表した。17日に行われた東西の統一労組と、日本調教師会による第3回団体交渉は決裂。調教師を中心とした組合非加入者で競馬開催を行うことで、99年4月3日以来、24年ぶりのストライキによる開催中止は回避された。

 議論は平行線のまま、日本調教師会とJRAは前代未聞の開催方法へと踏み切った。厩務員、調教助手らが組織する4労組(関東労、全馬労、関西労、美駒労)と、日本調教師会の新賃金体系における交渉は決裂。ストによる中止が迫ったが、中央競馬史上初の“離れ業”で開催を実現させる。

 両日の競馬開催は、交渉途中で妥結した全馬労を除く3労組1342人が開催業務をスト。競走馬の装鞍やパドックでの誘導などの当日業務を調教師、定年引退した組合非加入者、補充員らが行うことになる。JRAの佐野健吉競走理事は「全場で開催することで調整しています。(調教師会と)調整をして開催していくという形になりました」と説明した。

 春闘の焦点は11年にスタートした厩舎制度改革における新賃金体系。当時、中央競馬の売り上げ減を背景に若手を中心とした人件費の削減が行われたが、近年の売り上げ増加などを受け、4労組はかねて現行の賃金体系を廃止し、従前の体系に戻すことを訴えていた。

 団体交渉は今後も継続するが、3労組のストライキがいつまで続くかは不透明。コロナ禍でも走り続けた競馬の中止という最悪のケースは回避されたが、来週の高松宮記念から始まる春のG1シーズンへ暗雲は立ちこめたままだ。

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