3歳牝馬重賞「第37回フラワーC」が18日、中山競馬場で行われ、2番人気エミューが道中最後方追走から豪快に差し切った。デビュー6戦目での重賞初勝利で堂々と桜花賞(4月9日、阪神)へ駒を進める。

　大粒の雨が落ちる不良馬場。3歳牝馬には苦しいコンディションの中、ひときわ小柄なエミューが懸命に伸びてきた。「小さい馬だけど心が大きいね」。初コンビのM・デムーロが感嘆する。414キロの馬体に闘志がたぎった。

　テンションの高さを考慮して、直線までは馬の気持ちに任せた運び。悪い馬場につまずきながらも最後方で脚をためた。大外に持ち出した4コーナーで一気にエンジン全開。マークした上がり3F36秒3は次点に0秒6差つける好タイム。跳ねるような走りで内のヒップホップソウルを半馬身競り落とした。M・デムーロは「位置は後ろ過ぎたけど、それ以外はスムーズでした。直線を向いてから全然違う脚を使ってくれた」と相棒を称えた。

　次走は牝馬1冠目の桜花賞へ。前走・デイジー賞(1着)から中2週＆中2週と間隔はタイトだが、和田正師は「いつも頑張ってくれる馬。だいぶ緩いところがあるので、よく走ってくれたと思います」と愛馬の素質を信じる。リバティアイランドを筆頭に精鋭が待ち受けるクラシック戦線。小さなド根性娘の大きな挑戦が始まる。

　エミュー　父ハービンジャー　母スーリール(母の父スペシャルウィーク)牝3歳　20年3月22日生まれ　美浦・和田正厩舎所属　馬主・ノースヒルズ　生産者・北海道新冠町のノースヒルズ　戦績6戦3勝(重賞初勝利)　総獲得賞5530万4000円。馬名の由来はフランス語で「感動した」。