【大阪杯】“ヒシ”3代目・阿部雅英オーナー 受け継がれた系譜でヒシイグアス頂点を!「楽しみ」

スポニチ

2023年03月29日(水) 05:30

ヒシイグアスの絵を持つ阿部オーナー(撮影・篠原岳夫)

 ◇G1ウイーク「時の人」



 大阪杯ヒシイグアス(牡7=堀)と自身初のG1制覇を狙う阿部雅英オーナー(59)にインタビュー。夢は、初代で祖父・雅信氏、父で2代目・雅一郎氏が果たせなかった、ダービー制覇だと語る「ヒシ」3代目。ヒシイグアスへの思い、オーナーとしての信念などを聞いた。

 ――馬主になると決意したのは?

 「小さい頃から、祖父や父(雅一郎氏)に連れられて、毎週競馬場に行っていた。特に馬主というものを意識したのは、父の所有馬であるヒシミラクル(G13勝)が活躍していたときかな。父の代わりに表彰式のお立ち台に立ったりしてね。天皇盾も私が頂いたんですよ」

 ――馬主としての考えは先代から受け継がれている?

 「3人とも違いますね。いい意味で反面教師。祖父や父は、毎週自分の馬が走っているのが楽しみだった人たち。私は、ファミリーとしての悲願であるダービーをどうやって獲るか。そこに一点集中。だからこそ少数精鋭にこだわっています。1世代3頭。1頭にかける値段を下げては、ダービーを勝てる確率も落ちる。その上で、統計上活躍する確率が高い、セレクトセールのノーザンファーム生産馬を選んでいます」

 ――ヒシイグアスをセールで見たときの印象は?

 「何よりシルエットが奇麗でした。品があっていい馬だなと。5000〜6000万円くらいの予算で考えていましたが、まさかの9700万円(税別)。珍しくエキサイトしちゃいました。落札した後、やっちゃったな〜と思いましたね。でも、それぐらいいい馬だと感じていましたから」

 ――ヒシイグアスは前走の中山記念で重賞3勝目。

 「休みが長引いたこともあって、G1ぶっつけよりもG2を叩いてからの方がいいという考えで中山記念へ。パドックを見て太いかなと思いましたが、次のG1が本番という認識だったので、とりあえず次につながる競馬をしてくれれば、と。結果的に運があって勝つことができましたね」

 ――初G1制覇の懸かる大阪杯は強豪が集まった。

 「右トモが弱いこともあって、100%の出来になかなかならない馬。だけど今回は、それなりに仕上がっていると聞いている。相手に関係なく自分の競馬はできるし、気性に難しさのない馬。力関係はよく分からないけど、どこまでやれるのか楽しみですね」

 ――ヒシイグアスが出走したレースで一番印象深いのは?

 「重賞初制覇となった21年の中山金杯ですね。今までで一番状態が良かったんじゃないかな。私自身も重賞初制覇でしたからね。ただ、あの頃はコロナの影響で表彰式がなかったんですよ。今年の中山記念で、馬主として初めて表彰台に上がれました。うれしいことに、父の代からのファンの方からたくさん連絡を頂きました。重賞を勝ったんだ、という実感がようやく湧きましたね」

 ――最後にオーナーとしての信念を教えてください。

 「馬主をなりわいとしてやっているわけではないけど、やるからには真剣に。そして何より、出会いや縁を大事にして楽しむこと。結局、勝つか負けるかは運なんです。みんな100%努力した上での結果なんで。そういう運すらも楽しみたいですし、その上でクラシックとか大きいレースを勝てたら最高ですね」

 ◇阿部 雅英(あべ・まさひで)1963年(昭38)8月25日生まれ、東京都江東区出身の59歳。慶大法学部政治学科を卒業後、三和銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、阿部木材工業(現アベキャピタル)の代表取締役に就任した。趣味はワイン、ゴルフ。

 《高額馬ヒシタイカン素質にほれ込む》阿部オーナーが今年のダービー馬候補としてほれ込んでいるのが、1戦1勝のヒシタイカン(牡3=堀)だ。21年セレクトセールで1億120万円(税込み)で落札された高額馬。昨年10月の東京新馬戦は、上がり3F33秒4の脚を使い快勝した。その時の2、3着馬は既に1勝クラスを突破しており、この馬の素質は折り紙つき。体質の影響もあって次走は未定だが「新馬戦は凄い脚で、本当に強い勝ち方だった。今後が楽しみ」と期待を寄せた。

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