バレットという仕事

バレットという仕事をご存じだろうか?超簡単に言うと、競馬開催時に騎手のサポートをする仕事なわけだが、普通に競馬を楽しんでいるぶんには、その存在はあまりクローズアップされない。

たまたま知り合いの某人気騎手のバレットを務めるTさんに、「バレットってどんな仕事?」と聞いてみた。

まずバレットがしなければいけない仕事は、ジョッキーがその日に乗る鞍の準備。スポンジと鞍と腹帯の3つを揃え、ジョッキーの体重と合わせて、レースで定められた斤量になるように準備をするそうだ。例えば斤量が54kgのレースで騎手の体重が51kgの場合は、鞍の重さが3kgに設定しておくといった具合。
※スポンジというのは馬の背中と鞍の間に敷くもの。鞍をそのまま置くと痛いから必要。

その後、無事にレースを終えてジョッキーが帰ってくると、後検量の手伝い。馬からとった鞍を受け取り、それを洗濯したり、騎手の着替えをあらかじめ用意しておいたり。とにかくジョッキーがレースに集中できるよう、身の回りの世話を全部引き受けるといったものだということ。気のきく人でないと勤まらない仕事のようだ。

なので、バレットを務める人は女性が多い。ジョッキーの妹さんだったり、調教師の娘さんだったり、時には友達だという人もいるらしいが…あ、もちろん男性もいますよ。武豊さんだったり四位さんだったり。

このバレットという仕事、海外では昔からあったらしいのだが、日本では武豊ジョッキーが導入したらしく、まだその歴史は10年にも満たないくらいらしい。武さんを始め、多くの騎手の活躍のウラには、バレットのみなさんの「心遣い」というものがあるということをお忘れなく。