天皇賞(春)に向けて-キズナ-

さて、大阪杯まで天皇賞を目指す馬たちの前哨戦も一段落した。
終わってみれば何のことはない、キズナの圧勝
二着馬は格的に下とはいえ、直線だけで差し切るのだから、終いのキレは古馬に混ざっても最上位と見てよいだろう。(天皇賞に出走しないジャスタウェイ・ジェンティルドンナとの比較はここでは控える)

ただし天皇賞に向けて不安材料も見えた気がした。
巷では初の長距離がどうかという懸念が聞こえるが、個人的にはそれよりもこの馬のコーナーリング性能に一抹の不安を覚える。
この点については天皇賞を勝った父ディープと大きな差があるように感じる。
ディープの天皇賞は3角下りで加速をつけ、4角のコーナーリングで一気に早め先頭に立ち押し切った。
一方のキズナは京都新聞杯では3角で進出開始するも鋭角の4コーナーで少しもたついていた。今回の大阪杯もその点は同じで、加速しながら回ってくるというよりも回りきってから一気にトップスピードに入る感じだ。
ロンシャンのような鈍角コーナーなら問題ないのだろうが、特に右回りのきついコーナーはかなり下手なのではないだろうか?
更に多頭数になれば後ろから行く馬はそれだけ外を回すか、リスクを背負って馬群に突っ込むかの選択肢になる。

古豪ひしめく天皇賞において直線一気の競馬で届くかどうかは疑問が残るが、直線の瞬発力は一級品であることは間違いない。
後は名手武豊がどう乗るのか。前目の競馬をさせてみるのか、4角手前から動くのか、やはり直線の決め手に賭けるのか。その辺りを注目して見てみたい。