年度代表馬の選考基準

先ずはキタサンブラック号と関係者の皆さま年度代表馬選出おめでとうございます。
武豊ファンを自称する筆者としても、昨年の人馬の大活躍は只々喜ばしいばかりだ。

ただ個人的なファンを離れて客観的に2016年の年度代表馬選考を振り返る時、
他に2頭、モーリスとサトノダイヤモンドと言う年度代表馬に相応しかった馬が居た事を
考察せざるを得ないだろう。

その昔、1999年の年度代表馬選出も2016年と似た状況だった。
奇しくもモーリスの祖父であるグラスワンダーとスペシャルウィーク、エルコンドルパサー。
GI3勝のスペシャルウィークとGI2勝ながらその2勝ともスペシャルウィークを下しての
戴冠だったグラスワンダーを差し置いて、年度代表馬を射止めたのはエルコンドルパサー。
全て欧州で4戦2勝2着2回。GIサンクルー大賞典に勝利し凱旋門賞は2着。

1999年は国内では未出走、凱旋門賞に連体したとは言えGIは1勝でグラスワンダー、
スペシャルウィークとは未対戦だったエイルコンドルパサーの受賞は物議を醸しだした。
グラスワンダーとスペシャルウィークには不可解な特別賞が贈られた。

2016年はGI3勝だが他2頭と未対戦のモーリス、GI2勝で直接対決でキタサンブラックを
破っているサトノダイヤモンドではなく、GI2勝で直接対決で敗れているキタサンブラックが
選出された事への明確な理由付けは難しい。

記者による投票。投票するのは人間なのだから、その投票には客観より主観が入って
当り前であり、関係者共々競馬界を盛り上げたキタサンブラックが人馬・陣営込みで
選出された事を理解する事は出来ても、そう考えれば年度代表馬の何たるやについて
明確な基準が無い事もまたみえてくる。

騎手部門、調教師部門の表彰は数字が全てで結果が明瞭な事を鑑みれば、
競走馬部門も投票制度ではなく、ポイント制にするなどのJRAの検討を願ってやまない。