競走馬用シャワー導入 福島競馬場、全国初

2019年07月25日(木) 20:22 8 11

 日本中央競馬会(JRA)福島競馬場は競走馬の熱中症対策のため、今夏の開催からJRA全国10競馬場で初めて競走馬用の簡易シャワーを導入した。暑い日には全体の6割から7割の利用があり一定の効果があった。来年夏から同競馬場で本格的なシャワーを設置する予定で、他の競馬場でも導入を検討している。

 同競馬場は昨夏、開催8日間で6日も猛暑日を記録。競走馬の熱中症対策は課題だった。レース後に競走馬が引き揚げてくる検量室前で調教師がホースで水を掛けることも増えていた。そこで、検量室前から厩舎に向かう通り道に簡易シャワーを設置。高さ3・2メートル、長さ12・6メートル、幅1・6メートル。8列にシャワーヘッドを3個ずつ付けた。最初は水に戸惑う馬もいたが、慣れれば気持ちよさそうに何度も周回し浴びる馬もいた。今夏は雨が多く、気温が低い日は3〜4割程度の利用にとどまったが、同競馬場の最高気温が30・4度の13日は170頭中108頭と63・5%、29・5度の20日は167頭中121頭と72・5%が利用した。

 レース直後にホースで水を掛けるなど熱中症対策にいち早く取り組んできた美浦・国枝栄調教師は「レース後に水で冷やしすぐに熱を取ってやるのは必要なこと。手間が省けたのはありがたい」と歓迎する。同競馬場は昨年、パドックにミストを設置。厩舎からミストを備えた装鞍所、パドック、コースの待避所を経て、レース後のシャワーから厩舎に戻るまで、一連の動きの中で馬を水で冷やす流れができた。

 JRA競走馬総合研究所によると気温が28度を超えると競走馬の熱中症発症のリスクが上昇するという。肺動脈温を下げるのは、これまで行われてきた汗こきをしながら水を掛ける方法よりも、水を掛け続けた方が効果があるというデータもある。今夏の福島競馬の開催委員長を務めたJRAの木村一人理事は「関係者に好評だったのは何より。福島では本格設置する予定で、各場ごとに状況を精査しながら考えていきたい」と語った。

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