BCで予後不良、事故多発競馬場でまた悲劇

2019年11月03日(日) 22:13 0 15

【11月3日】競馬のブリーダーズカップ・ワールド・チャンピオンシップ(Breeders' Cup World Championships 2019)の最終レースで、馬が死ぬ事故が起こり、賞金総額2800万ドル(約30億円)の祭典は悲劇的なかたちで幕を閉じた。

 レース会場のサンタアニタパーク(Santa Anita Park)では、馬の死ぬ事故が2018年末から数えて37件目となった。これまでには猛烈な批判が浴びせられ、司法当局が調査を行ったほか、国会議員が競馬の将来について警告する事態にまでなっていた。

 その中で、コースを所有するストロナック・グループと大会主催者は、全14レースが無事に終わることを願って数々の安全対策を講じ、その努力は実を結びかけていたが、最後に事故が起こった。

 予後不良となったのは、最終レースのクラシック(ダート2000メートル)に出走した4歳牡馬のモンゴリアングルーム(Mongolian Groom)。モンゴリアングルームには最終ストレートに差しかかったところで異常が発生し、アベル・セディーロ(Abel Cedillo)騎手がレースをやめさせた。

 馬を下りるセディーロ騎手のもとに陣営が慌てて近づき、仕切りを使ってまわりから馬が見えないようにする中、モンゴリアングルームは馬用の救急車で運び出されたが、コース内の施設でX線検査と診断を受けた結果、左後ろ脚の下肢骨折という重傷であることが判明し、4人の獣医師が「安楽死を推奨した」ことが主催者から発表された。

 クラシックは最終的にヴィノロッソ(Vino Rosso)が圧勝を収めたが、モンゴリアングルームの死はレースに暗い影を落としている。ヴィノロッソの調教師は、手術可能なけがであることを祈っていると話していたが、願いは届かなかった。

 サンタアニタパークは3月にコースを閉鎖して、トラックの地表部分だけでなく地下部分も検査を行っていた。所有者もその後、馬への投薬に関する新たな規則を導入し、さらに出走を取り消す権限を持った獣医のパネルによるレース前の検査も義務づけていた。

 30日には、カリフォルニア州選出の上院議員が州の競馬委員会(CHRB)の事務局長へ書簡を送り、ブリーダーズカップを「カリフォルニアと米国の競馬の将来を懸けたテスト」と呼んでいたが、その中で事故が起こった。

みんなのコメント

現在のコメント数0

みんなの投稿ニュース

サービス終了のお知らせ 長きにわたってご愛顧いただきました「みんなの投稿ニュース」ですが、8月22日(予定)を持ちましてサービスを終了することになりました。
長らくのご利用、誠にありがとうございました。
なお、コラムコンテンツにございます「みんなのコラム」は引き続きサービスを提供しておりますので、ご自身で執筆される記事の投稿につきましてはこちらをご利用くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。※記事の転載等は禁止しております。投稿ガイドラインをご確認ください。

ランキング