高知 無観客でも売上1.6倍 関係者複雑

2020年05月23日(土) 10:43 2 3

高知競馬の売り上げは前年の1.6倍に急増。予期せぬ“快走”に、関係者は複雑な思いを抱いている。



緊急事態宣言が出された4月以降は、売り上げがさらに伸びた。

4月13日〜5月17日の開催12日間は計79億9100万円。過去最高の564億1200万円を売った2019年度の同時期と比べ、66・0%も増加した。高知県競馬組合は「新型コロナの影響で経済的に厳しい人が増えているのに、過去最高を更新するとは」と戸惑いを隠せない。

組合は要因として全国的に外出やイベント自粛が要請されたことを挙げる。他の娯楽がなくなり家で競馬をする人が増えたという見立てだ。また普段から購入者が圧倒的に多いJRAも無観客で馬券を買うために新しくネット会員になる人が増え、高知も購入しているとみている。

もう一つは高知のインターネット販売の割合の高さ。ナイターが定着した近年、売上の9割以上がネット販売で、2019年度は94%を占めた。これは全国の地方競馬で最も高い数字。高知競馬場にも平時は千人以上が来場するが無観客の影響は限定的で、逆に「巣ごもり需要」の恩恵を大きく受けたとみられる。

 
トップジョッキーの赤岡修次騎手はかれこれ2カ月間、外食を控え競馬場以外には出掛けないようにしている。

騎手は場内の調整ルームに宿泊しており、感染者1人が出れば全員が濃厚接触者になる可能性がある。組合はリスク回避のため場内に住む騎手は携帯電話を預かった上で自宅に滞在させるなど分散を図っている。

赤岡騎手は「競馬ができて『申し訳ない』という気持ちもあるが、できることをやっていきたい」。支援しようと騎手会として4月11日から騎乗手当の一部の積み立てを始めた。

競馬組合も5月9〜31日の間、メインの売上1%を県に寄付する。組合の東谷事務局長は「少しでも高知に貢献できれば」と強調する。

20年近く前、経営危機にひんした高知競馬は県市の支援で存続が決まった。東谷事務局長は「苦しかった時に残してもらったのは、雇用維持の側面があった。今回もできるだけ雇用を守りたい」と話す。

普段、馬券販売に携わる従事者は別の部署に回したり、職員向けのマスク作りをしたりすることで雇用を維持。また競馬場での販売ができなくなった競馬新聞の事業者には、ウェブサイトで予想を公開してもらい開催日ごとに60万円を支払っている。

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