ナリタセンチュリー現在は馬具会社の看板馬

2020年08月18日(火) 07:00 0 5

 札幌市と旭川市の中間に広がる空知平野に位置する砂川市は、アイヌ語で「男山」という意味のピンネシリをはじめ雄大な山々に囲まれた緑が豊かな土地だ。

 ナリタセンチュリー(牡21歳)は、この地でのんびりと今年の夏を過ごしている。けい養先は皮革製品や馬具のメーカー「ソメスサドル」の本社・砂川ファクトリーで、馬と縁が深い会社とはいえ、引退馬を敷地内に放牧しているのは極めて珍しい。

 現役時代は名バイプレーヤーとしてならした。04年京都大賞典、05年京都記念の重賞2勝を挙げ、ラストランとなった06年の宝塚記念では10番人気ながらディープインパクトから4馬身差の2着に激走した“いぶし銀”。

 引退後は種牡馬となったが、種付け数は増えずに乗馬に転用。現在は札幌市内の乗馬クラブに所属しており、同社が所有するアッシュゴールド(セン8歳)の相方として、今年の5月にやってきた。

 ソメスサドルの染谷昇代表取締役社長は「馬にとっては素晴らしい環境のなかで、馬具メーカーが馬を放牧しているのは自然なこと。いらっしゃるお客様の反応がすごくいいです」と、2頭を優しい表情で見つめる。冬は雪深い土地柄のため放牧期間は毎年5月から10月頃までで、引退して14年目のナリタセンチュリーはまだ乗馬として現役だ。同社営業部の野沢課長によれば、「2頭は仲がいいですね。関係は年上のナリタの方が上。人懐っこくて愛想がいいですよ」と、引退後の意外な一面をのぞくこともできた。

 誰でも気軽に見学可能で「ディープインパクトと同じ時代に走っていた馬と説明すると、競馬を知らないお客様にも興味を持っていただけますね」と、野沢さん。希代の名馬が天国に旅立ってから約1年。色あせない記憶とともに、馬具トップブランドの“看板馬”として第四のキャリアを歩んでいる。

〈オルフェーヴル弟アッシュゴールドも元気〉

 ○アッシュゴールドは、オルフェーヴルらを兄に持ち現役時代は1勝に終わったが、乗馬セリで栗毛の美しい姿にほれ込んでソメスサドルが購入した。「アッシュに会いにくるファンの方もいてびっくりしましたし、我々にとってもうれしいこと。すごく姿見のいい四白流星(4本の脚元と鼻先までが白い)で、歩様などもきれいでほれぼれします」と染谷社長。現役時代に注目を集めた良血はターフを去った今でも根強くファンに愛されている。

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