「武豊」町と「武豊」騎手とのつながりは

2021年03月27日(土) 21:30 0 3

 日本競馬界のレジェンドといえば、武豊騎手。そこで思い出すのは、岐阜県民が名古屋に出掛けた時、JR名古屋駅で目にする「武豊」行きの電車だ。終着の武豊駅には何があるの? 武豊線に乗って武豊駅まで行ってみた。

 武豊駅は、愛知県知多郡武豊町にある。駅名の由来は人名ではなく自治体名。読み方も「たけゆたか」ではなく「たけとよ」だ。

 名古屋駅から大府駅経由で武豊線に乗り、約1時間で終着の武豊駅に着く。駅の券売機で買える入場券には「武豊駅」と印字されている。必勝祈願のお守りになりそうだ。

 知多半島に位置する武豊町。海に面し、武豊駅からも海は徒歩圏内。駅前を散策すると、武豊郵便局、県営武豊住宅、武豊ビル−など、当たり前だが武豊のオンパレード。武豊の名が付いた小中学校や高校もある。"ゆたか"つながりでは、即席麺・調味料製造のユタカフーズが町内に本社を構えている。


 武豊町は武豊騎手と全く無縁ではない。「これまでに2度、武豊騎手をお招きしています」とは町の秘書広報課職員。どちらも町の催しで、武豊騎手は1989年に一日町長を務め、町内をパレード。99年にはトークショーを開いたという。

 騎手と町の結び付きが確認でき、満足して帰ろうとしたが、どうやらこの地、岐阜県との縁も少なからずあるようだ。武豊駅の案内板に「明治19年開通! 県内最古の路線」とある。説明によると、武豊線は1886(明治19)年に愛知県で最初に開通した鉄道路線らしい。昔は港まで線路が延びており、当時の武豊停車場の跡地には現在も蒸気機関車の転車台が残っているという。

 そこを訪れると、転車台前の石碑に武豊線の歴史が刻まれていた。日本の鉄道は72(同5)年に関東の東京・新橋〜横浜、74(同7)年に関西の大阪〜神戸が開業した。その後、東西を結ぶ現・東海道線の建設が始まる。その時、海外からの建設資材を陸揚げしたのが武豊港で、それを運ぶ資材運搬専用線として敷いたのが現・武豊線なのだという。元々、中山道に沿う中山道線として計画された現・東海道線。県内区間では、主に大垣駅以東の建設に武豊線が大きく貢献したようだ。

 「武豊」行きの電車で武豊駅に行ってみると、県内の鉄道の原点とも言える鉄道遺構に出合えた。

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