ソダシ今浪厩務員の夢 一緒に引退となれば

2021年04月09日(金) 07:04 0 6

◆第81回桜花賞・G1(4月11日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 白毛馬ソダシを手がける今浪厩務員は、その個性的な性格から芦毛の怪物と言われたG1・6勝馬・ゴールドシップの担当としても知られる腕利きだ。

 4戦4勝と無敗で迎えるクラシック開幕戦。「プレッシャーは感じていますよ。連勝でG1を狙うわけだし、負けていないわけだから。ただ、ゴールドシップの経験もあるからね」。数々の大一番を知る大ベテランに気負いはなかった。

 常に寄り添いながら、名馬たちを育ててきた。「まずはけがをさせないようにすること。あと、それぞれの個性を大事にしていきたいと思っています」。我が強いゴールドシップを少しでも落ち着かせようと、調教ではコースに入るギリギリまで手綱を引っ張り、普段から世話をする自分がそばについた。食の細かった13年の2歳女王、レッドリヴェールには午後9時頃まで何度も馬房を訪れ、小刻みにカイバを与え続けることで馬体を維持させた。深い愛情があるからこその行動だった。

 特別な思いがある。15年末の有馬記念後に行われたゴールドシップの引退式。4万人が居残っていたスタンドの光景に感謝の思いで涙が止まらなかった。現在はコロナ禍で競馬場への入場人数が制限中。「ファンが(多く)来るまで負けないでほしい」と力を込める。

 現在は62歳。あと3年で定年を迎える。「この馬と一緒のタイミングで自分も引退となればね。これが最後と思って。それが目標でもあり、夢でもある」。真っ白な馬体に、自らの集大成を注ぎ込む。(山本 武志)


 ◆今浪 隆利(いまなみ・たかとし)1958年9月20日、福岡県生まれ。62歳。小倉競馬場の近くで幼少期を過ごす。須貝厩舎には90年の開業当初から所属。

みんなのコメント

現在のコメント数0

みんなの投稿ニュース

サービス終了のお知らせ 長きにわたってご愛顧いただきました「みんなの投稿ニュース」ですが、8月22日(予定)を持ちましてサービスを終了することになりました。
長らくのご利用、誠にありがとうございました。
なお、コラムコンテンツにございます「みんなのコラム」は引き続きサービスを提供しておりますので、ご自身で執筆される記事の投稿につきましてはこちらをご利用くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。※記事の転載等は禁止しております。投稿ガイドラインをご確認ください。

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る