矢作師 ユニコーンライオン種牡馬にしたい

2021年06月09日(水) 07:12 0 7

 ユニコーンライオンが鳴尾記念を勝って、節目のJRA重賞50勝を飾ることができた。弟子の瑠星の騎乗だったし、オーナーのライオンレースホースさんには毎年、有力馬を預けていただき、また公私ともに大変お世話になっているので、喜びもひとしおだった。

 ユニコーンライオンはイギリス・ニューマーケットのタタソールズオクトーバーセールで、クールモアグループとの激しい競り合いの末、購入していただいた。今まで10数頭をヨーロッパで購入してきたが、ようやく重賞ウイナーを出せたのでその点でもホッとしている。

 鳴尾記念への出走は当初未定。エプソムC、米子Sとの3択の中でおおいに迷っていた。水曜朝の追い切りで状態が非常にいいとの報告を受け、天気予報から馬場状態がこの馬向きになりそうな推測や展開面を考慮して水曜夕方に出走を決めたものだった。勝つときはそんなものである。

 今回はさまざまな点で恵まれたことは確かだが、同時に彼の本格化も手応えをつかんだ。スキャットダディの血統で日本的には貴重な血、何とか良い種牡馬になれるようさらに育てていきたい。

 ラヴズオンリーユーの秋の海外遠征に備えて、少しずつ準備を進めている。今のところアメリカ・デルマー競馬場のブリーダーズCから香港カップに向かう構想である。

 ここで大きな壁となるのが「60日ルール」。海外に出てから帰国までの日数が60日を超えると帰国後の日本での出走に大きな障害が発生するのだ。グローバルスタンダードは90日で、この30日の差が大きく、現地での前哨戦出走が難しくなっている。過去多くの日本馬もこの壁に苦しめられてきた。馬券も発売し、世界で戦うのが当たり前になっているこの時代、日本もそろそろ世界基準に合わせるべきだと強く思う。

■矢作芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。8日現在、JRA通算706勝、重賞50勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI3勝、交流GI3勝。

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