会社員が21億円横領17億円は競馬に使用

2022年03月15日(火) 02:42 2 1

貨幣処理機大手のグローリー(兵庫県姫路市)は14日、コインロッカー保守の子会社グローリーサービス(大阪市)の元経理担当社員が、総額約21億5500万円を横領していたと発表した。会社の資金を個人の銀行口座に移し替えるなどの手口で、2009年から今年2月までの約13年間不正を続け、競馬や飲食に使っていた。同社は、3月11日付で元社員を懲戒解雇し、横領容疑で警察に告訴する。

グローリーは2月3日に事実を把握。弁護士ら外部専門家を交えた社内調査委員会を設置し、関係者から事情を聴いていた。

 この日発表した調査報告書によると、グローリーサービス総務課長代理だった元社員は、社内の売上金や保険料などの現金を金庫から抜き取るほか、会社の銀行口座からネットバンキングで個人口座に振り込むなどの手口で着服を繰り返していた。競馬の馬券購入に約17億6400万円、日常的な飲食代や遊興費に約3億9200万円を使ったとされる。

 元社員は05年に中途入社。総務課で経理の実務を1人で担っていた。発覚を防ぐため、口座の残高証明書の数字を切り貼りして偽造したほか、帳簿を改ざんして上司に報告していた。上司は、書類を確かめるだけで、ネットで残高確認などはしていなかったという。

 子会社の資金口座残高が常にマイナスになっていることを不審に感じたグローリーの財務担当部門が今年1月、取引明細を精査して不正が発覚した。

 グローリーは22年3月期連結決算で、この件に関して純利益が約9億円減少する見込み。過去の決算書類も訂正する。

 同社の広報担当者は「管理体制が甘く、関係者に多大な迷惑をかけた。実効性のある再発防止策を早期に示し、実行する」と話した。

【キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)】 複数のグループ会社を持つ企業が、一つの銀行に専用口座を設けて資金を集中管理し、グループの効率的な運営や資金運用につなげる手法。プールした資金を設備投資や運転資金が必要な会社に優先的に振り分けることもできる。多くのグループ会社を持つ売上高1兆円を超える大企業が導入してきたが、最近は中堅規模の企業の導入が増えている。

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