ブリーダーズカップがドーピング禁止に動く

2011年07月17日(日) 20:38 1 1

2013年から、ブリーダーズカップの全レースにおいて、競走能力を高めるとされる薬物の使用が禁止される。ラシックス、サリックスの名で流通している、鼻出血防止に使われる利尿剤フロセミドの全面禁止の動きは、まず2012年のブリーダーズカップのうち、5つの2歳戦において適用される。

7月13日に行われたブリーダーズカップ社の取締役会にて決定したもので、ラシックスやその他の競走能力向上の疑いのある薬物の段階的廃止のための工程表を策定する。

ラシックスは競走馬のパフォーマンスを高める疑惑があるため、北米以外の主要な競馬国では禁止されており、ブリーダーズカップでの措置はアメリカにおいて禁止への方向へとリードするものである。

ブリーダーズカップ社とアメリカンジョッキークラブは1970年代から禁止化を推進している。ジョッキークラブはブリーダーズカップ社を賞賛する声明を出したほか、ドーピングのルールを改正して違反者には重い罰則を課すべきであることも付け加えている。

一方、多くの調教師、騎手はラシックス禁止の動きに反発している。騎手らで構成されるNTRAボードは今回の決定について合意が形成されていない。また、騎手協会は7月21日にワシントン州シアトルで開催される夏季集会において、多くの騎手がフロセミドが競走馬に有益であることを示唆した調査を引用し、今回の措置について疑問を投げかける予定である。競走馬用医薬品メーカーと検査団体は段階的廃止の可能性を8月4日に議論する。



【ほそつぶ】
 ラシックスの名で有名な利尿剤は、それ自体がドーピングの役目を持つのはなく、薬物の排出をうながすため、結果としてドーピングをアシストしているという評価のようです。あとは鼻出血の予防という建前もあります。鼻出血の経験があるレッドディザイアのアメリカ遠征には、ラシックスが使えるからという理由が挙げられていることで有名ですね。

アメリカ国内の反応はさまざまで、記事を読む限りでは、主催者に近い立場では規制に賛成、現場サイドと製薬業界は規制に反対という印象でした。

ともあれ、薬物に甘いというイメージのアメリカ競馬界において、トップクラスの知名度を持つ競馬の祭典で規制の動きが出てきたことは、反ドーピングの立場からは歓迎されることでしょうね。

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