矢作調教師 Sバクシンオーの後継成功願う

2014年12月17日(水) 20:54 3 16

 4年前のちょうど今頃、朝日杯FSを使うときには「サクラバクシンオー産駒にマイルは長すぎる」とさんざん書かれた。長じて今年、スプリンターズSの前には「距離短縮が鍵」と言われた。グランプリボスには「どんな馬に対しても先入観を持って接してはならない」ということを身をもって教えてもらった。思い出は尽きない。

 長い審議の末、厩舎の初GI勝利となった朝日杯FS。最高の状態で勝てなかった4歳時のマイルCS、悪いデキでも底力で勝ってくれたNHKマイルC、そして生涯で最悪の状態での今年の安田記念の激走。世界中のホースマンの憧れであるロイヤルアスコットでフランケルとも走った。

 今回香港がラストランと決まったとき、スタッフと「悔いのない仕上げをしよう」と話しあった。引退→種牡馬入りが決まっている馬はどうしても守りの調教になりがちである。グランプリボスの誇りのためにもそれだけは避けたかった。結果は3着と残念だったが、最後まで攻めることができてとても良い状態でレースに臨めたし、気分はすがすがしい。

 来年からは第二の仕事が待っている。種牡馬も厳しい競争の時代だが、ボスにはその雄大な馬格からあふれるスピードとパワーがある。気性も前向きで素直だし、脚元も丈夫だ。調教の動きから間違いなくダートもこなせるだろう。そして何より日本スプリンター界の宝サクラバクシンオーの貴重な後継であり、マイルの距離を克服しているのである。種牡馬としての成功を信じている。

 ありがとうボス、君には感謝しかない。 (JRA調教師)

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